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GMOグローバルサイン・ホールディングスは調整一巡感、中期成長期待
- 2021/3/25 08:12
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
GMOグローバルサイン・ホールディングス<3788>(東1)は、電子認証サービスおよびサーバー貸出・管理サービスを主力として、電子印鑑やAI・IoTなど新規サービスの収益化も推進している。21年12月期は成長分野の新規サービスの収益化に向けた先行投資負担で減益予想としているが、DXの流れを背景に中期成長を期待したい。株価は上値を切り下げる形で軟調だが調整一巡感を強めている。反発を期待したい。
■クラウド・ホスティング事業とセキュリティ事業が主力
GMOインターネット<9449>の連結子会社で、旧GMOクラウドが20年9月1日付でGMOグローバルサイン・ホールディングスに社名変更した。
電子認証サービス(連結子会社GMOグローバルサインのSSLサーバー証明書発行サービス、電子印鑑DSSなど)のセキュリティ事業、サーバー貸出・管理サービスのクラウド・ホスティング事業を主力として、電子印鑑GMOサイン(GMO電子印鑑Agreeのサービス名称を21年2月に変更)や、AI・IoT関連など新規サービスと位置付けるソリューション事業も展開している。社名変更に伴ってグローバルなブランド認知度向上、日本NO.1のトラストサービスを軸とした事業拡大を推進している。
セキュリティ事業では、SSLサーバー証明書の国内市場シェアが、19年6月に50%を突破した。20年1月には、クラウド型電子署名ソリューションDigital Signing Suiteの月間署名数が、グローバルで100万件を突破した。
クラウド・ホスティング事業では、既存ホスティングサービスの統廃合でコスト削減を推進するとともに、19年4月開始したマネージドクラウドサービスCloudCREWが急拡大している。
20年12月期セグメント別売上構成比(調整前)は、セキュリティ事業50%、クラウド・ホスティング事業42%、ソリューション事業9%、経常利益構成比(調整前)はセキュリティ事業73%、クラウド・ホスティング事業50%、ソリューション事業▲23%だった。
なお21年12月期からセグメント区分を変更して、電子認証・印鑑事業(ソリューション事業に含まれていた電子印鑑GMOサインを従来のセキュリティ事業に移管)、クラウドインフラ事業(従来のクラウド・ホスティング事業)、DX事業(従来のソリューション事業)とする。
■電子印鑑・契約など新規サービスの収益化推進
ソリューション事業では、電子印鑑GMOサイン、WebソリューションO2O、オンラインゲーム開発エンジンPhoton、自動車向けAI・IoTソリューションのLINKDriveシステムを活用したコネクテッドカー事業など、新規サービスの収益化を推進している。なおコネクテッドカー事業についてはGMOモビリティクラウドとして分社化し、双日<2768>との合弁会社とした。
電子印鑑GMOサインは、当事者署名型、立会人型(事業者署名型)の両方に対応している。また20年12月には「契約印&実印プラン」として一本化し、価格も引き下げて電子契約の更なる利用・普及を促進している。テレワークや「脱はんこ」の動きが広がっていることを背景に、導入企業数は20年12月末時点で14万社を突破して14万48社となり、国内電子契約サービスにおける導入企業数NO.1となった。
今後はGMOインターネットグループの顧客基盤も活用して電子印鑑市場の席巻を狙う方針だ。3月22日には電子印鑑GMOサインが、新潟県三条市に採用・導入されることが決定したと発表している。自治体による初の導入となる。
AI・IoT関連では20年6月、メーター点検業務をAIで効率化するサービスがKDDIの検診オプションに採用された。
■21年12月期は先行投資負担で減益予想だが中期成長期待
21年12月期連結業績予想は、売上高が20年12月期比6.7%増の142億29百万円、営業利益が25.7%減の10億08百万円、経常利益が24.7%減の10億50百万円、当期純利益が33.8%減の7億75百万円としている。配当予想は17円17銭減配の33円64銭(期末一括)である。
電子認証事業を中心としたトラストサービスを柱として、電子印鑑GMOサインなど成長分野の新規サービスの収益化に向けた施策に取り組むため、先行投資負担で減益予想としている。DXの流れを背景に中期成長を期待したい。
■株主優待制度は毎年12月末時点で6ヶ月以上保有株主対象
株主優待制度は毎年12月31日時点で、1単元(100)株以上・6ヶ月以上保有株主を対象として実施(詳細は会社HP参照)している。
■株価は調整一巡感
株価は上値を切り下げる形で軟調展開だが調整一巡感を強めている。反発を期待したい。3月24日の終値は7040円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS67円28銭で算出)は約105倍、今期予想配当利回り(会社予想33円64銭で算出)は約0.5%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS607円31銭で算出)は約12倍、時価総額は約823億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)