フェローテックHDが大泉製作所と資本業務提携、中国のNEV(新エネ車)市場に乗り拡大めざす

■大泉製作所に29.12%出資し持分適用会社に

 フェローテックホールディングス(フェローテックHD)<6890>(JQS)は3月24日の夕方、大泉製作所<6618>(東マ)との間で資本業務提携を行うことを本日決議したと発表した。

 大泉製作所の主要株主であるインテグラル・オーエス投資事業組合1号、および第2位株主Spring L.P.(以下併せて「主要株主ら」といいます。)から、大泉製作所の普通株式244万1100株(議決権保有比率29.12%)を取得する予定。取得後、大泉製作所はフェローテックHDの持分法適用関連会社となる。

■大泉の温度センサとフェロテックの熱制御製品で新事業を創出

 大泉製作所は、熱・温度変化によって電気抵抗値が変化する半導体セラミックスのサーミスタを利用した各種電子部品の製造・販売、並びにそれらを使用して、顧客である自動車部品メーカーや空調・家電メーカーなどが最終製品に取り付けて温度測定や制御に利用する温度センサを製造・販売している。

 安定成長が期待される車載用温度センサにおいては世界トップクラスのシェアを有し、また空調機の需要が増加中の中国をはじめとしたアジア地域においても高いシェアを獲得しており、革新的で高品質なサーミスタを通じて、地球環境と人々の快適な暮らしに貢献し、世界中で信頼される企業を目指す経営に取り組んでいる。

 同社のサーミスタ製品はそれらの熱制御のプロセスにおいて必要不可欠なコア部品であるため、今後、NEV(新エネルギー自動車、電気自動車、燃料電池自動車など)の市場拡大と比例して長期にわたる安定的な需要が見込まれる。加えて、中国におけるNEV市場が急拡大していることから、更なる中国事業の拡大余地がある。
 
 このような状況のもと、フェローテックHDのサーモモジュール等の熱制御製品及びパワー半導体事業の顧客である中国のNEV企業とのリレーションをはじめとしたグローバルネットワークの活用により、大泉製作所の高品質製品の
販売強化につながることに加えて、当社の自動化や生産管理システム(MES、ERP)導入の経験・ノウハウ、セラミックス等の材料技術、生産技術、品質管理ノウハウ等の経営資源を効果的に活用することで、中長期的に両社の企業価値向上に繋がるものと考え、これまで協議を重ねた結果、今般本資本業務提携について合意に至った。

 業務提携の内容は、以下の事業、および業務に関して行うことを検討している。(1)大泉製作所が得意とする車載用・空調機用の温度センサに関する技術と、当社が得意とするサーモモジュール等の熱制御製品に関する技術をベースとした、新たな製品、技術及び事業分野を創出、(2)フェローテックHDグループの戦略的拡販先を当面のターゲットとして、大泉製作所の製品と技術の中国市場への一層の拡販を実現するために、当社の中国市場での販売・マーケティングに係る経営資源を活用して、当社と大泉製作所の中国における車載事業、空調・エレメント事業の確たる発展を実現、(3)生産・技術・販売各部門の人材交流などにより、双方の経営資源のより効果的なかつスピード感のある活用を実現する。(HC)

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