【決算情報】日本マニュファクチャリングサービスの今期業績は、売上高、営業・経常利益共に過去最高を更新する見込み

■今期はPS(パワーサプライ)事業の売上が1年を通じて寄与

日本マニュファクチャリングサービス<2162>(JQS)の今期連結業績予想は、売上高、営業・経常利益共に過去最高を更新する見込み。

今期好業績が見込まれる一因として、昨年パナソニックから一般電源事業を譲受したPS(パワーサプライ)事業の売上が1年を通じて寄与することが挙げられる。前期は3カ月分の35億73百万円の売上高であったが、今期は171億40百万円を見込む。利益面では営業利益4億80百万円を見込んでいる。

なお、前期より、4セグメントをHS(ヒューマンソリューション)事業、EMS(エレクトロニクス・マニュファクチャリング・サービス)事業、PS事業の3セグメントに変更している。

基本コンセプトとして、日本、中国、アセアン諸国における人材サービス事業とEMS事業の融合によるトータルソリューションサービス「neo EMS」を掲げている。製造アウトソーシング企業NO.1を目指すとともに、サービスの一段の高付加価値化に向けて開発・設計といった製造業の上流プロセス分野の機能を強化している。単なる製造アウトソーサーから、キーテクノロジーを有して技術競争力を備えた企業グループへの変革を推進している。

ところが、14年3月期は、主力のEMS事業が海外取引レート等の影響により、営業利益、経常利益が共に赤字となったが、5月15日に発表された前15年3月期連結業績は、売上高492億45百万円(14年3月期比17.5%増)、営業利益4億93百万円(14年3月期△6億43百万円)、経常利益7億33百万円(同△1億75百万円)、純利益5億71百万円(14年3月期比11.8%減)と海外取引レートの見直しや事業構造改革が進み、大幅増収増益でV字回復を達成した。
最終利益の減益に関しては、14年3月期の負ののれん発生益の影響によるもので、事業構造改革が進み、完全に事業再建に成功したといえる。

セグメント別の売上高、営業利益は、HS事業については、人材の採用に苦戦したものの、売上高133億12百万円(同10.3%増)と2ケタ増収となった。しかし、利益面については、海外事業等将来への事業投資コスト発生により営業利益△17百万円となった。
EMS事業は、試作、工作機械関連の受注などにより、売上高323億59百万円(同8.4%増)となり、利益面でも海外取引レートの見直しや事業構造改革の効果が出たことに加え、利益率の高い試作、工作機械関連の受注増により営業利益2億62百万円と黒字化を達成した。
PS事業は、3ヵ月間であったが、売上高35億73百万円、営業利益2億37百万円と売上高、利益面で大きく貢献した。

今期16年3月期連結業績予想は、売上高673億80百万円(前期比36.8%増)、営業利益11億円(同122.8%増)、経常利益9億30百万円(同26.8%増)、純利益5億25百万円(同8.2%減)と売上高、営業・経常利益共に過去最高を更新する見込み。
最終利益については、前期に負ののれん発生益3億95百万円が特別利益として計上された影響によるもの。

セグメント別の業績予想は、HS事業は、人材定着率の向上と利益率の改善により、売上高155億30百万円(前期比16.7%増)営業利益2億35百万円(前期△17百万円)と増収大幅増益で黒字化を見込む。
EMS事業は、PS事業との連携、兼松との協業等により売上拡大と利益率改善により、売上高350億70百万円(同8.4%増)、営業利益3億85百万円(同46.6%増)と増収大幅増益の予想。
PS事業は、1年間フルに活動することで、売上高171億40百万円(同379.6%増)、営業利益4億80百万円(同101.9%増)と大幅増収増益を見込む。

前期のトピックスを振り返ると、5月、中国製造請負研究プロジェクト参画、8月、日本通運と業務提携、9月、タイで派遣事業開始、10月、パナソニックから一般電源事業の譲受、同じく10月、ベトナムで派遣事業の開始、12月、カンボジア人材会社2社とタイでの派遣事業で業務提携、15年3月、兼松と資本業務提携と次々と大きな話題を発表している。グローバル規模で、事業拡大のための布石を次々と打っている。これらの事業活動が奏功し、事業の拡大が進むものと予想される。

同社では、2020年の売上高目標として、1000億円を掲げている。

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