【編集長の視点】キングギムは連日の年初来高値、自己株式消却で20期ぶり最高純益と連続増配を見直す

 キングギム<7962>(東1)は、前日31日に3円高の951円と4営業日続伸して連日、年初来高値を更新するとともに、昨年1月につけた昨年来高値1034円を射程圏に捉えた。同社株は、来年4月に新市場区分が実施される東証の市場再編に対応、プレミアム市場への上場を目指し今年3月23日に自己株式消却を発表しており、株主価値を向上させると好感する買い物が増勢となった。合わせて今2021年6月期業績が、今年1月に上方修正させ、純利益が、20期ぶりに過去最高を更新し、配当も連続増配が予定されていることも見直されている。

■消却で流通株式比率をアップさせプライム市場を目指す

 東証の新市場区分は、現在の東証第1部・2部市場、ジャスダック市場、マザーズ市場をプライム市場、スタンダード市場、グロース市場の3市場に再編し、この最上位のプライム市場の上場基準は、流通時価総額100億円以上、流通株式比率35%以上となっている。同社の自己株式消却は、100万株(発行済み株式総数の3.08%)を消却株式数として今年4月20日に実施する予定となっている。この消却により発行済み株式数を減少させ流通株式比率をアップさせるとともに、株主への利益還元も図る。

 一方、今2021年6月期業績は、昨年10月に第2四半期(2020年7月~2020年12月期、2Q)累計業績を上方修正し、今年1月にはこの2Q累計業績を再上方修正するとともに、6月期通期業績を上方修正した。通期業績は、期初予想より売り上げを5億円、営業利益を7億5000万円、経常利益を7億8000万円、純利益を5億3000万円それぞれ引き上げ、売り上げ355億円(前期比6.1%増)、営業利益20億2000万円(同63.9%増)、経常利益22億7000万円(同52.4%増)、純利益15億6000万円(同44.2%増)とV字回復を見込み、純利益は、2001年6月期の過去最高(15億1000万円)を更新する。新型コロナウイルス感染症の感染拡大で巣ごもり需要が拡大し、子会社ぼん家具のインターネット通販で家具が好調に推移、自動手指消毒器「テッテ」の受注が急増したことなどが要因となった。今期配当は、年間22円(前期実績17円)に連続増配を予定している。

■GC示現で上昇トレンド転換を示唆し2018年6月高値を意識

 株価は、世界同時株安に巻き込まれてつけた昨年3月の昨年来安値622円から売られ過ぎ修正と防疫関連株人気で967円まで底上げ、昨年10月の2Q累計業績の上方修正で935円高値、今年1月の今期通期業績の上方修正・増配でも足元の957円高値まで買い進まれた。このため25日移動平均線が、75日移動平均線を上抜くゴールデンクロス(GC)を示現して上昇トレンド転換を示唆した。PERは、17倍台と東証第1部全銘柄平均の24倍を下回って割安であり、昨年1月高値1034円抜けから、次の上値フシとして2018年6月高値1128円が意識されよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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