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協立情報通信は反発の動き、22年2月期収益回復期待
- 2021/4/2 08:21
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
協立情報通信<3670>(JQ)は、ソリューション事業とモバイル事業を展開し、中期成長に向けてサービスの高度化・多様化を推進している。21年2月期は新型コロナウイルスの影響を受けて低調だが、DXや5Gの流れも追い風として22年2月期の収益回復を期待したい。株価は反発の動きを強めている。下値固め完了して出直りを期待したい。
■ソリューション事業とモバイル事業を展開
中堅・中小企業のICT(情報通信技術)化実現に向けたソリューション事業、およびドコモショップ運営のモバイル事業を展開している。20年2月期セグメント別売上高構成比はソリューション事業39%、モバイル事業61%、営業利益構成比はソリューション事業110%、モバイル事業▲10%だった。
ソリューション事業は、NEC<6701>、NTTドコモ<9437>、オービックビジネスコンサルタント<4733>、日本マイクロソフト、サイボウズ<4776>の主要パートナー企業5社の製品・サービスを融合し、情報インフラ、情報コンテンツ、情報活用の3分野を総合したワンストップソリューションの「経営情報ソリューションサービス」を提供している。
体感型フューチャーラボの協立情報コミュニティーにおいて、製品活用体験セミナー、フェア、イベント、システム導入相談会、教育サービスなどを提供していることも特徴だ。19年7月にはサイボウズ オフィシャル ゴールドパートナーに認定された。またOBCパートナーアワード 2018-2019 New Value Awardを受賞した。19年8月には商工中金とビジネスマッチング業務委託契約を締結した。
モバイル事業はNTTドコモの一次代理店であるティーガイア<3738>の代理店として、ドコモショップ6店舗(東京都内2店舗、埼玉県内4店舗)を運営し、個人向けモバイル端末などの店頭販売(店舗事業)および法人向けモバイルソリューション(法人サービス事業)を展開している。
中期成長に向けた基本戦略として、協立情報コミュニティーの活性化、パートナー企業との共同展開の積極化、物販からソリューションへのシフトなど、サービスの高度化・多様化を推進している。
20年10月には多摩大学と、地域社会への貢献を目的とした包括連携に関する協定を締結した。
■21年2月期減収減益予想だが、22年2月期収益回復期待
21年2月期の連結業績予想(7月10日に未定に修正、10月14日に再公表)は、売上高が20年2月期比15.8%減の47億円、営業利益が27.2%減の1億80百万円、経常利益が21.7%減の2億円、当期純利益が30.6%減の1億20百万円としている。配当は20年2月期と同額の55円(期末一括)である。なお20年2月期には創業55周年記念配当5円が含まれているため、21年2月期の普通配当は増配の形となる。
第3四半期累計は、売上高が前年同期比25.7%減の32億61百万円、営業利益が46.3%減の1億15百万円、経常利益が36.8%減の1億39百万円、四半期純利益が46.9%減の78百万円だった。新型コロナウイルスの影響で減収減益だった。第2波の感染拡大の落ち着きで一旦は回復基調となったが、第3波の感染再拡大の影響で需要回復ペースが鈍化した。
ソリューション事業は20.9%減収だった。大型ソリューション案件の商談停滞・先送りが継続した。モバイル事業は28.9%減収だった。法人サービス事業が伸長したが、店舗事業において来店客数減少で携帯電話販売台数が減少した。
なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高10億92百万円で営業利益56百万円、第2四半期は売上高10億33百万円で営業利益31百万円、第3四半期は売上高11億36百万円で営業利益28百万円だった。
21年2月期は新型コロナウイルスの影響を受けて低調だが、DXや5Gの流れも追い風として22年2月期の収益回復を期待したい。
■株主優待制度は毎年2月末の株主対象
利益還元については、配当性向30~40%程度を目途に、業績に連動させて適正な配当を行うとともに、万一業績が悪化したとしても一定の水準を維持していきたいとしている。
株主優待制度は毎年2月末の株主を対象として、保有株式数に応じて島根県の特産品を贈呈(詳細は会社HP参照)している。
■株価は反発の動き
株価は20年12月の安値を割り込まず、反発の動きを強めている。下値固め完了して出直りを期待したい。4月1日の終値は1710円、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS102円70銭で算出)は約17倍、前期推定配当利回り(会社予想の55円で算出)は約3.2%、前々期実績連結PBR(前々期実績の連結BPS1420円50銭で算出)は約1.2倍、時価総額は約21億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)