日立反落も中期では引き続き注目、人口知能、ロボット強化

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チャート10 日立製作所<6501>(東1)は、13円90銭安の830円50銭と反落、場中値では25日線を割り込んでいる。主力株全般が軟調となっていることの影響を受けているようだ。中長期的な視点では引き続き注目できそうだ。

 5月8日付の日本経済新聞朝刊が「同社は2016年度以降の研究開発費を、15年度見込みより約3割増やし、年5000億円程度にする。日立が世界市場で競争する米ゼネラル・エレクトリック(GE)や独シーメンスに匹敵する規模とし、センサーや人工知能、ロボットに集中投資する。」と報じている。米ゼネラル・エレクトリック(GE)や独シーメンスに匹敵する水準まで引き上げ、世界市場での勝ち残りを目指すとしており、中長期的な視点から日立は今後も市場の関心を集めると予想される。

 足元の業績は、前2015年3月期売上高9兆7619億7000万円(前期比2.1%増)、営業利益6004億7900万円(同11.6%増)、純利益2413億0100万円(同8.9%減)に着地。年間配当は12円(同1.5円増)を予定。

 今16年3月期から会計基準を米国基準から国際基準(IFRS)に変更するため、単純比較はできないが、通期業績予想は、売上高9兆9500億円、営業利益6800億円、純利益3100億円を計画。年間配当は未定としている。

 北米が牽引しグローバル事業が拡大。今期はグローバル事業の拡大、サービス事業の拡大フロント力の強化によって顧客の成長を支援し社会イノベーション事業が拡大した。今期は、引き続き、グローバル事業の拡大、サービス事業の拡大を図るとともに、スマトラによるコスト削減を図る方針。グローバル事業は海外売上高比率が2014年3月期実績45%、前15年3月期47%、今16年3月期50%へ高める方針。

 サービス事業はサービス売上高比率が2014年3月期実績32%、前15年3月期35%、今16年3月期38%へ高める方針。スマトラによるコスト削減は売上原価およびSG&Aの低減、CCC(製造・サービス等)の改善を実施する。

 株価は、1月27日につけた年初来の高値922.9円から2月17日に年初来の安値766円と調整。その後、860円手前を上値にモミ合っている。月足では9カ月移動平均線が上値を抑えるものの、24カ月移動平均線が下支えしており、日柄調整が進み業績が順調に推移すれば十分上値を試す余地はある。ここから下押す場面があれば、中長期的な視点で買い妙味が膨らもう。

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