中本パックスは21年2月期増収増益、22年2月期営業・経常増益予想
- 2021/4/9 08:18
- 決算発表記事情報
(決算速報)
中本パックス<7811>(東1)は4月8日の取引時間終了後に21年2月期連結業績を発表した。IT・工業材関連や建材関連が牽引して増収増益だった。22年2月期は特別利益が剥落して最終減益だが、増収、営業・経常増益で連続増配予想としている。収益拡大を期待したい。株価は2月の年初来高値圏から反落したが、好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。
■21年2月期増収増益、22年2月期は営業・経常増益で連続増配予想
21年2月期の連結業績は、売上高が20年2月期比5.7%増の360億33百万円、営業利益が11.9%増の17億15百万円、経常利益が8.8%増の17億50百万円、親会社株主帰属当期純利益が21.2%増の13億15百万円だった。従来予想を上回る増収増益だった。当期純利益は負ののれん発生益(持分法適用関連会社の三国紙工を連結子会社化)も寄与した。配当は1円増配の57円(第2四半期末28円、期末29円)とした。
売上総利益で見ると、食品関連は中食・内食需要の高まりでスーパーマーケット向け包材が好調だったが、行楽・イベント用の比較的高価格帯の容器・トレー向け商材の減少で利益率が低下して1.6%減益だった。IT・工業材関連は電子部品製造用フィルムが好調に推移し、自動車内装材も持ち直して27.2%増益だった。19年9月稼働の埼玉第三工場も黒字化した。
生活資材関連は新商材投入や新規取引先増加で8.6%増益だった。医療・医薬関連は受注好調で2桁増収だが、競争激化や立ち上げ初期テスト費用で利益率が低下して0.5%減益だった。建材関連は機能性建材の好調や生産効率向上で33.1%増益だった。その他は新規連結の三国紙工が寄与して33.7%増益だった。
22年2月期連結業績予想は、売上高が21年2月期比5.5%増の380億円、営業利益が8.2%増の18億57百万円、経常利益が8.6%増の19億円、親会社株主帰属当期純利益が13.8%減の11億33百万円としている。配当予想は1円増配の58円(第2四半期末29円、期末29円)としている。連続増配予想である。
当期純利益は特別利益が剥落して減益だが、IT・工業材関連の好調が牽引して増収、営業・経常増益予想としている。収益拡大を期待したい。
■株価は上値試す
株価は2月の年初来高値圏から反落したが、好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。4月8日の終値は1652円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS138円70銭で算出)は約12倍、時価総額は約135億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)