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【アナリスト水田雅展の銘柄分析】マルマエは15年8月期業績予想2回目の増額修正、14年8月高値視野
- 2015/6/8 06:59
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
マルマエ<6264>(東マ)は精密部品加工事業を展開している。6月5日に15年8月期業績予想の2回目の増額修正を発表した。株価は5月28日に年初来高値1280円まで上伸している。増額修正を評価して上値追いの展開だろう。14年8月高値1468円が視野に入る。なお6月13日に5月度の月次受注残高、7月14日に第3四半期累計(9月~5月)業績の発表を予定している。
半導体・FPD(フラットパネルディスプレー)製造装置に使用される真空部品や電極などの精密加工事業を展開し、新規分野として光学装置分野などの精密加工も強化している。
15年1月に事業再生計画(11年7月に事業再生ADR成立)の終結を発表した。16年10月末日の最終弁済をもって終了する計画だったが、強固な収益体質の確立と財務体質の改善に目途がついたため、終了期間を前倒しして15年1月末日をもって事業再生計画を終結した。そして債務の株式化を行ったA種優先株式については5月29日に取得(246株、1株につき100万円)して消却した。
6月5日に今期(15年8月期)非連結業績予想の増額修正を発表した。2月9日に続いて2回目の増額修正である。前回予想に対して売上高は1億50百万円増額して前期比32.5%増の21億円、営業利益は1億円増額して同49.8%増の4億円、経常利益は1億円増額して同51.0%増の3億85百万円、純利益は1億円増額して同30.8%増の3億95百万円とした。主にFPD分野の売上高が前回予想を上回り、純利益は減益予想から一転して増益予想となった。
なお第2四半期累計(9月~2月)までの四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(9月~11月)3億84百万円、第2四半期(12月~2月)6億39百万円、営業利益は第1四半期41百万円、第2四半期1億30百万円で、収益改善基調を鮮明にしている。
15年4月度の月次受注残高(速報値)は半導体分野が1億59百万円、FPD分野が1億32百万円、その他分野が26百万円、合計が3億18百万円(前月比12.0%増加、前年同月比113.8%増加)だった。
半導体分野(前月比12.7%減、前年同月比98.6%増)は一部顧客からの受注がやや停滞して前月比では減少となったが、前年同月比では大幅に増加している。FPD分野(前月比50.3%増、前年同月比179.4%増)は国内外の設備投資活発化に伴って受注回復が本格化している。その他分野(前月比97.8%増、前年同月比26.0%増)も堅調だ。
全般的には半導体分野の真空パーツを中心に新規部品の受注が拡大基調であり、生産力の増強が課題としている。こうした環境のなか、社内生産力の増強および生産性の改善に加えて、協力企業との取引拡大により生産能力を高めることで出荷拡大を図るとしている。
半導体分野の受注・出荷検収が好調であり、FPD分野の受注も回復が本格化している。増収効果や生産性向上効果で売上原価率が一段と改善しそうだ。収益改善基調であり、通期業績予想は3回目の増額の可能性があるだろう。
株価の動きを見ると水準切り上げトレンドが継続している。そして2月高値1243円を突破して、5月28日には年初来高値となる1280円まで上伸した。収益改善基調を評価する動きだろう。
6月5日の終値1245円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS224円95銭で算出)は5~6倍近辺、前期実績PBR(前期実績のBPS86円03銭で算出)は14倍近辺である。
日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって強基調の形だ。15年8月期業績予想の2回目の増額修正を評価して上値追いの展開だろう。収益改善基調であり、14年8月高値1468円が視野に入る。