JPホールディングスは上値試す、22年3月期も収益拡大期待

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

 JPホールディングス<2749>(東1)は総合子育て支援のリーディングカンパニーである。子育て支援の質的向上と事業を通じた社会貢献を推進するとともに、事業環境変化に対応して持続的成長を実現するため収益性向上や新規事業創出に取り組んでいる。21年3月期は上方修正して大幅営業・経常増益予想としている。さらに22年3月期も収益拡大を期待したい。株価は上方修正を好感して年初来高値を更新した。その後は利益確定売りが優勢になったが、自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。なお5月13日に21年3月期決算発表を予定している。

■総合子育て支援のリーディングカンパニー

 総合子育て支援のリーディングカンパニーである。認可保育園や学童クラブなどを運営する子育て支援事業を主力として、保育所向け給食請負事業、英語・体操・リトミック教室請負事業、保育関連用品の物品販売事業、研究・研修・コンサルティング事業なども展開している。

 20年3月期末の運営施設数は、保育園209(認可保育園・公設民営12、認可保育園・民設民営171、認可外東京都認証保育所20、認可外企業主導型保育事業2、その他認可外保育園4)、学童クラブ72、児童館11、民間学童クラブ4、海外幼稚園(ベトナム)1、合計297園・施設(19年3月末比8園・施設増加)だった。首都圏を中心に展開している。また受入児童数は19年3月期末比973人増加の1万5323人だった。

 なお21年4月1日付で保育園5園(うち認可移行2園)、学童クラブ8施設、児童館1施設を新規開設し、子育て支援施設の合計は303施設(保育園211園、学童クラブ81施設、児童館11施設)となった。

 収益は既存施設の稼働率、新規施設の開園、保育士待遇改善に伴う人件費の増加、補助金の増減などが影響する。また新規施設の開園は概ね4月のため、期前半は各施設への保育士配置に係る費用が先行するが、児童数が増加して稼働率が上昇する期後半に向けて収益が拡大する特性がある。

■収益性向上や新規事業創出を推進

 新たな経営理念を「子育て支援を通じて笑顔溢れる社会づくりに貢献します」として、コーポレートメッセージには「すべてはこどもたちの笑顔のために」を掲げた。子育て支援の質的向上と事業を通じた社会貢献を推進するとともに、事業環境変化に対応して持続的成長を実現するため収益性向上や新規事業創出に取り組んでいる。

 収益性・効率性向上では、最高水準の保育サービスの提供を目指して保育の更なる質的向上推進するとともに、経営資源集中や業務効率化を推進する。具体的には、収益性が悪化した施設を閉園(21年3月末に東京都認証保育所4園および企業主導型保育園1園を閉園、22年3月末に東京都認証保育所1園を閉園予定)し、要員配置適正化などで既存施設の収益性改善に取り組む。また投資基準に沿った新規開設計画の立案、保育ニーズの変容に対応する収益モデルの研究を推進する。幼児教育や異業種提携など、児童減少に伴う空きスペースを活用したビジネスモデルも検討する。

 人材確保・育成・マネジメントでは、採用間口の拡大などで採用を強化するとともに、離職率抑制に向けて人事制度の改革、タレントマネジメントシステムの活用、働く環境の整備、コンプライアンス体制や安全対策の強化などに取り組む。離職率については20年3月期13%(業界平均17%前後)に対して、21年3月期10%程度を目指す。

 更なる成長に向けた新規事業では、子育て支援の取り組みを待機児童対策から少子化社会対策へシフトし、子育て世帯への新しい暮らし方の提案(朝夕の食事提供、幼児教育プログラムのデジタル化、子育て用品販売による手ぶら保育など)、オンライン教育(在宅子育てサービスなど)などに取り組む方針だ。M&A・アライアンスも積極活用する方針だ。

 21年1月には学研ホールディングス<9470>が第1位株主となり、資本業務提携した。更なる子育て支援の質的向上、量的な成長、幼児教育の拡充および子育て事業における新しいビジネス価値の創造を推進する。

 21年3月には、グループ運営施設における安全管理体制強化の一環として、全国200を超える園の保育士を対象に、オンラインで事故防止専門プログラム研修を実施した。

■21年3月期大幅営業・経常増益予想、22年3月期も収益拡大期待

 21年3月期の連結業績予想は3月29日に修正(売上高を2億13百万円下方、営業利益を4億86百万円上方、経常利益を5億83百万円上方、親会社株主帰属当期純利益を特別損失計上で6億46百万円下方修正)して、売上高が20年3月期比3.4%増の327億91百万円、営業利益が34.1%増の20億63百万円、経常利益が36.6%増の27億36百万円、親会社株主帰属当期純利益が54.0%減の5億16百万円としている。配当予想は20年3月期と同額の3円90銭(期末一括)である。

 売上面では、新規施設の開設、東京都認証保育所の認可保育所への移行、既存施設の受入児童増加がプラス要因だが、新型コロナウイルスによる一部施設の臨時休園・休室・休館により、保護者から直接徴収する給食費や写真販売に伴う物販収入が減少し、受入児童数が計画を下回ったことも影響する。

 営業利益は売上総利益の増加、一部施設臨時休園・休室・休館に伴う給食食材費の減少、販管費の抑制などで従来予想を上回る大幅増益見込みとなった。経常利益は寮利用者増加に伴う補助金収入の増加が寄与した。なお特別損失には、土地と建物を保有して運営している一部の園の固定資産に係る減損損失、および一部施設の閉園に係る減損損失として、第4四半期に合計19億34百万円を計上する。

 21年3月期は大幅営業・経常増益予想となった。さらに22年3月期も収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は毎年9月末の株主対象

 株主優待制度は毎年9月末日現在の5単元(500株)以上保有株主を対象として実施している。なお20年9月末対象から従来の株主優待ポイント制度を廃止し、次亜塩素酸水を贈呈(詳細は会社HP参照)した。

■株価は上値試す

 株価は上方修正を好感して年初来高値を更新した。その後は利益確定売りが優勢になったが、自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。4月20日の終値は306円、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS5円90銭で算出)は約52倍、前期推定配当利回り(会社予想の3円90銭で算出)は約1.3%、前々期実績連結PBR(前々期実績の連結BPS110円17銭で算出)は約2.8倍、時価総額は約269億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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