住友商事は船舶向けバッテリーシステムメーカーCorvus Energyと合弁会社を設立

 住友商事<8053>(東1)は、船舶向けバッテリーシステム(ESS)の製造・販売を手掛けるノルウェーのCorvus Energy Holding AS(Corvus Energy)と共同で、日本市場でESSの販売・メンテナンスを行うSumisho Corvus Energy Co., Ltd.(Sumisho Corvus Energy)を設立する合弁契約を締結した。

※ESS:電力貯蔵システム(Energy Storage System)の略称。蓄電池と電力制御システムを組み合わせて電力系統に連系し、状況に応じて電力の貯蔵や放出を行うシステムのこと。

写真=Corvus Energy社製ESSモデル「Blue Whale」

 国際連合の専門機関である国際海事機関(IMO)は、2018年に採択した国際海運に関する「GHG削減戦略」において、2008年比で国際海運に従事する船舶の平均燃費を2030年までに40パーセント改善すること、温室効果ガス(GHG)総排出量を2050年には半減することを目標としている。これを受けて、造船・海運業界は、環境負荷が低い代替船舶燃料への移行や、GHG排出削減のための機器導入が求められている。ESSは、重油やガスなどの既存燃料や、アンモニアや水素などの次世代燃料とのハイブリッド化による大型外航船舶などの燃費の改善や、小型内航船舶の完全電動化によるゼロエミッションの実現に寄与する動力として期待されている。

 Corvus Energyは、コンテナ船やクルーズ船など多様な船舶への対応のみならず、港湾機器など幅広い海事産業用途に合わせてESSを開発できる強みを持つ。すでに、400以上のプロジェクトへESSを提供し、合計稼働時間は300万時間を超えており、2020年の海事産業用ESSにおける世界シェアは50パーセント以上を誇る。

 住友商事とCorvus Energyは、2019年から日本・アジア地域でのESSの市場調査・拡販活動を行ってきた。新たに設立するSumisho Corvus Energyは、Corvus Energy製ESSの販売に加え、契約後のテクニカルサポートも行う。船舶トレード事業や保有船事業などを通じて培った顧客ネットワークを生かし、内航・外航に関わらず営業活動を推進していく。

 住友商事は、Sumisho Corvus Energyを通じ、日本の海事産業の低炭素化・脱炭素化に貢献。また、地球環境に配慮した海事産業・海上物流に関する新たなビジネスの創造を目指していくとしている。

株式会社e5ラボが導入するCorvus Energy社製ESS搭載予定の完全電動内航タンカー

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