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ティムコは戻り試す、21年11月期1Qが2桁増収と回復基調で通期黒字転換予想
- 2021/4/22 08:10
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
ティムコ<7501>(JQ)はフィッシング用品およびアウトドア用品の企画・開発・販売事業を展開している。21年11月期第1四半期は新規出店による経費増加などで赤字だったが、売上高は2桁増収で回復基調となった。未定としていた通期の業績予想は2桁増収・黒字転換予想、配当予想は前期と同額とした。3密を避けるためのアウトドア人気も背景として、通期ベースで収益改善を期待したい。株価は年初来高値圏から反落の形となったが、低PBRも見直して戻りを試す展開を期待したい。
■フィッシング用品およびアウトドア用品の企画・販売
フィッシング用品(ルアーフィッシング用品、フライフィッシング用品)およびアウトドア用品(アウトドア衣料・用品)の企画・開発・販売事業を展開している。
20年11月期セグメント別売上高構成比はフィッシング事業が33%、アウトドア事業が66%、その他(不動産賃貸収入など)が1%だった。
基本戦略として、規模の拡大よりも内容の充実に重点を置き、フィッシング事業ではフライ用品の裾野拡大やルアー用品のユーザー層拡大、アウトドア事業ではオリジナルアウトドアブランド「Foxfire」や直営店舗「Foxfire Store」の認知度向上・ユーザー層拡大に取り組んでいる。
19年4月にはスノーピーク<7816>と資本業務提携し、スノーピークが第1位株主となった。商品開発・販売などを共同展開する。
■21年11月期2桁増収・黒字転換予想
21年11月期の業績(非連結)予想(期初時点では未定、4月12日公表)は、売上高が20年11月期比16.5%増の31億06百万円、営業利益が6百万円の黒字(20年11月期は1億34百万円の赤字)、経常利益が15百万円の黒字(同1億27百万円の赤字)、当期純利益が0百万円の黒字(同2億28百万円の赤字)としている。配当予想は20年11月期と同額の5円40銭(期末一括)である。
第1四半期は売上高が前年同期比13.8%増の7億07百万円、営業利益が60百万円の赤字(前年同期は51百万円の赤字)、経常利益が54百万円の赤字(同49百万円の赤字)、四半期純利益が54百万円の赤字(同55百万円の赤字)だった。利益面は在庫品値引き販売で売上総利益率が低下し、新規直営店舗出店に伴う経費増加も影響して前年並みの赤字だった。ただし売上面は2桁増収で回復基調となった。
フィッシング事業は26.7%増収で702.8%増益だった。3密を避けたアクティビティとして釣りが注目され、ルアー商品は新製品、フライ用品は既存商品の販売が好調だった。アウトドア事業は9.3%増収で赤字だった。売上面は、緊急事態宣言再発出で百貨店や商業施設の集客減少の影響を受けたが、前期に新規出店した直営店の新店効果が寄与して増収だった。利益面は値引き販売や新規出店に伴う運営経費増加で赤字だった。
通期は、アウトドア事業は主要販路である百貨店や商業施設の集客回復が見込めず厳しい事業環境だが、フィッシング事業の売上が回復基調であり、全体として2桁増収・黒字転換予想としている。
売上拡大・利益確保策として、ネット通販や宣伝販売促進の更なる強化、フィッシング事業の強化、直営店フォックスファイヤーの販売チャネル見直しや不採算店舗整理による事業効率化、社内業務見直しによる販管費コントロール・経費削減などを推進するとしている。3密を避けるためのアウトドア人気も背景として、通期ベースで収益改善を期待したい。
■株主優待制度は毎年11月末の株主対象
株主優待制度は毎年11月30日現在の株主を対象として、保有株式数に応じてFoxfire Store20%OFFお買物優待券を贈呈(詳細は会社HP参照)する。
■株価は戻り試す
株価は地合い悪化も影響して年初来高値圏から反落の形となったが、低PBRも見直して戻りを試す展開を期待したい。4月21日の終値は745円、今期予想配当利回り(会社予想の5円40銭で算出)は約0.7%、前期実績PBR(前期実績のBPS1824円37銭で算出)は約0.4倍、時価総額は約25億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)