【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ティムコは年初来高値圏、収益改善基調や0.2倍近辺の低PBRを評価

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

 ティムコ<7501>(JQS)はフィッシング用品やアウトドア用品の企画・販売事業を展開している。株価は年初来高値圏の動きで8日は588円まで上伸した。収益改善基調や0.2倍近辺の低PBRを評価して、14年1月と9月の600円を試す展開だろう。

 フィッシング用品やアウトドア用品の企画・開発・販売事業を展開し、アウトドア衣料ブランド「フォックスファイヤー」の商品力強化や、直営店舗「フォックスファイヤーストア」の収益力向上に取り組んでいる。20年東京夏季五輪開催に向けて、登山・アウトドア・スポーツ関連の需要盛り上がりも追い風となる。

 今期(15年11月期)の非連結業績予想(1月16日公表)は、売上高が前期比2.4%増の30億円、営業利益が同2.8倍の70百万円、経常利益が同2.0倍の73百万円、純利益が同4.9倍の40百万円、配当予想が前期と同額の年間12円(期末一括)としている。

 第1四半期(12月~1月)は、売上高が前年同期比5.9%減の6億31百万円で、営業利益が31百万円の赤字(前年同期は34百万円の赤字)、経常利益が30百万円の赤字(同30百万円の赤字)、純利益が24百万円の赤字(同23百万円の赤字)だった。

 消費増税前駆け込み需要の反動影響や天候不順の影響などでフィッシング事業、アウトドア事業とも減収となり、輸入商品の原価上昇や在庫品の値下げ販売もマイナス要因だったが、経費削減効果などで営業赤字幅が縮小した。

 通期ベースでは、アウトドア事業で消費増税前駆け込み需要の反動影響が一巡して、衣料・アクセサリーが堅調に推移する見込みだ。またフィッシング事業では天候不順の影響が一巡する。店舗オペレーション効率化や販管費圧縮などの効果も寄与して増収増益見通しだ。

 規模の拡大よりも内容の充実に重点を置き、アウトドア衣料ブランド「フォックスファイヤー」の商品力強化などで、着実な収益向上に努める方針としている。ルアー関連の一部製品の価格改定(値上げ)も寄与して収益改善基調が期待される。

 株価の動きを見ると、やや小動きだが水準切り上げの展開が続いている。6月8日は588円まで上伸し、4月28日と30日に付けた年初来高値588円に面合わせとなった。年初来高値圏の動きだ。収益改善基調を評価する流れに変化はないだろう。

 6月8日の終値584円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS14円19銭で算出)は41倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は2.1%近辺、そして前期実績PBR(前期実績のBPS2350円51銭で算出)は0.2倍近辺である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって上昇トレンドの形だ。収益改善基調や0.2倍近辺の低PBRを評価して、14年1月と9月の600円を試す展開だろう。これを突破すれば13年11月の629円が視野に入る。

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