【どう見るこの相場】GW明けの株式市場を占う!巣ごもり状態から抜け出せるか?

どう見るこの相場

■ウイズGWもアフターGWも「安・近・単」のアウトドア株で風待ちスタンス

 バブル経済崩壊後のゴールデンウイーク(GW)の過ごし方、レジャーのキーワードといえば「安・近・短」であった。底なし沼の構造不況のなかで、費用が「安く」、距離が「近く」、日程が「短い」小旅行や日帰りレジャーでせめての家族サービスに四苦八苦した昔がいまでは逆に懐かしい。

 ところがである。あれから20年以上も経とうというのに、今週央からスタートする今年のGWは、またまたポイントは「安・近・短」、もしくは「安・近・単」だというではないか。「単」とは、「おひとりさま」やソーシャルディスタンスをキープする単身、単独、簡単を含意するという。GWの長期休暇に合わせて、昨25日から大阪府、東京都など4都府県に3回目の緊急事態宣言が発出されたためだ。前2回の宣言より強い行動制限が求められ、レジャーも「安・近・短」、「安・近・単」と自粛・自制を余儀なくされる。期限の5月11日が明けたら本当に宣言が解除されるのか、GW中は毎日の新規感染者数に一喜一憂しつつ風向きを読むことになりそうだ。

 株式相場の方も、GW中は欧米市場の株価動向に一喜一憂しつつ、GW明け後の東京市場が、巣ごもり状態、たこつぼ様相から抜け出せるか風向きを読むことになる。東京市場の上値を抑えている懸念材料が多すぎるからである。緊急事態宣言の効果で、本当に期限までに感染拡大が抑え込まれ宣言が解除されるのかはもちろんだが、接種率がOECD(経済協力開発機構)全37カ国中で最下位となっているコロナワクチン・リスク、日米首脳会談以来の「台湾海峡」を巡る米中の地政学リスクや北朝鮮リスク、東京五輪・パラリンピックが開催されるのか不透明なイベント・リスク、前日25日投開票の衆参3選挙の与党・自民党全敗による政局リスクなどが重なる。さらに連休明けから本格化する決算発表でも、安川電機<6506>(東1)、日本電産<6594>(東1)のように折角、発表した好決算が材料出尽くし売りとなった前例があり、これが続くようなら業績リスクも高まることになる。

 前週末23日は、日経平均株価が167円安したのに対して、欧米株価は、ワクチン接種の普及とともに行動制限が徐々に緩和されていることを材料に反発した。週明けのきょう25日は、東京市場も追随の動きを強めることなると想定されるが、何しろ大型連休控えで、緊急事態宣言の発出中である。仮に株高スタートしたとしても、そのままGW明け後も追随できるのか、上向き、下向きのいずれのトレンドが発生するか見極める風待ちとなる可能性もある。

 そこで今週の当特集では、連休中(ウイズGW)も連休明け後(アフターGW)も、緊急事態宣言解除先取りの投資スタンスとしてやはり「安・近・単」で風待ちすることを提案することとした。外部材料に影響を受け難い身近なディフェンシブ系のアウトドア関連株、ロード関連株へのアプローチで、連休明けには関連需要の動向も伝えられ、話題性も高まる展開も想定されるためだ。ソーシャル・ディスタンス関連のオートバイ株やゴルフ株、「ソロ・キャンプ」関連のレジャー株、「ロードサイド」関連の小売り株・外食株など、業績の上方修正株や割安株の「安」も多いだけに幅広く網を張りたい。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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