■設立目的は「サステナブル社会の実現」だが資材調達などで成果も
ケイアイスター不動産<3465>(東1)は4月26日、次第高となり、後場は一段と強含んで3780円(90円高)で始まった。前週の調整基調に一巡感が広がり、再び上値を施行する様子になっている。
4月13日付で、三栄建築設計<3229>(東1)、オープンハウス<3288>(東1)の3社合同で、一般社団法人「日本木造分譲住宅協会」の設立を発表。最大の設立目的は「サステナブルな社会の実現」など、持続可能な開発目標「SDGs」の課題解決だが、3社関係者からは、「実は、最も早く成果を上げそうなのが住宅用木材の確保を巡って有利になる点ではないか」との見方が出ている。用材の調達コスト低下にもつながる共同展開になる余地があるようだ。
最近、業界では、「住宅木材、13年半ぶり高値、(中略)住宅着工遅れも」(日本経済新聞4月22日付朝刊)との報道が大きな話題になったという。「住宅の梁(はり)や柱に使う木材の流通価格が一段と上昇し」「住宅メーカーの収益の圧迫要因」になる可能性が出ているといった内容。要因は、「住宅需要が旺盛な米国に世界から木材が集まり、日本で不足している」ことなどとされた。
こうした資材の値上がり傾向は、業界では昨年来のこととして受け止められていた様子だが、株式市場では最近になって一部で注目された程度の印象で、たとえば積水ハウス<1928>(東1)の株価は4月中旬から調整色を濃くする展開になってきた。
もっとも、「分譲住宅の建築費用に占める住宅木材そのもののコストは3割から1割ぐらい」(関係者)とされ、住宅木材の値上がりは痛いものの、共同仕入れなどの方法をとれば、ある程度圧縮する余地が出てくるようだ。
住宅メーカーの株価を見ると、週明け26日も軟調な銘柄が見受けられるものの、大手の銘柄などは上記の報道が出た翌日から反発し始めている。ケイアイスター不動産の株価は高値に進んだあと調整基調だったが、75日移動平均に近づいた水準で再び上げてきたため、調整一巡感が広がってきたとの見方が出ている。(HC)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)