インフォコムは22年3月期も増収増益・増配予想
- 2021/4/28 08:35
- 決算発表記事情報
(決算速報)
インフォコム<4348>(東1)は4月27日の取引時間中に21年3月期連結業績を発表した。電子コミック配信サービスが牽引して大幅増収増益だった。22年3月期も増収増益・増配予想としている。収益拡大基調だろう。株価は決算発表に対してネガティブ反応となった。22年3月期営業・経常利益の伸び率が小幅にとどまる予想を嫌気した可能性がありそうだ。目先的な売り一巡後に好業績を再評価する展開を期待したい。
■21年3月期大幅増収増益・増配、22年3月期も増収増益・増配予想
21年3月期の連結業績は、売上高が20年3月期比16.6%増の680億55百万円、営業利益が31.7%増の108億12百万円、経常利益が32.3%増の109億36百万円、親会社株主帰属当期純利益が13.2%増の62億76百万円だった。電子コミック配信サービスが牽引して大幅増収増益、過去最高だった。配当は6円増配の37円(第2四半期末10円、期末27円)とした。
ネットビジネスは33.5%増収で59.7%増益だった。電子コミック配信サービスが34.5%増収と成長した。データ分析をベースとした各種施策に加えて、外出自粛による巣ごもり消費も追い風となっている。
ITサービスは5.4%減収で11.0%減益だった。企業向けITサービスは前期並みだったが、ヘルスケア事業が10.0%減収だった。病院向けが前年の改元・消費税増税対応特需の反動や新型コロナウイルスの影響で減少した。
四半期別に見ると、第1四半期は売上高155億89百万円で営業利益20億91百万円、第2四半期は売上高176億24百万円で営業利益28億29百万円、第3四半期は売上高157億01百万円で営業利益21億90百万円、第4四半期は売上高191億41百万円で営業利益37億02百万円だった。ヘルスケアが期末にかけて回復基調となった。
22年3月期の連結業績予想は、売上高が21年3月期比13.1%増の770億円、営業利益が1.7%増の110億円、経常利益が0.6%増の110億円、親会社株主帰属当期純利益が16.3%増の73億円としている。配当予想は3円増配の40円(第2四半期末13円、期末27円)とした。
ネットビジネスは18.1%増収で13.8%増益、ITサービスは4.0%増収で6.2%増益の計画としている。引き続き電子コミック配信サービスが牽引し、ヘルスケアも回復する見込みだ。新たなワークスタイル変革の推進を背景として22年3月期中に本社移転を予定しているため、全体としては経費の増加で営業・経常利益の伸び率は小幅にとどまる見込みとしているが、収益拡大基調に変化はないだろう。
■株価は目先的な売り一巡後に好業績を再評価
株価は決算発表に対してネガティブ反応となった。22年3月期営業・経常利益の伸び率が小幅にとどまる予想を嫌気した可能性がありそうだ。目先的な売り一巡後に好業績を再評価する展開を期待したい。4月27日の終値は2846円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS133円31銭で算出)は約21倍、時価総額は約1639億円である。