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アイフリークモバイルはモミ合い上放れの動き、22年3月期収益改善基調期待
- 2021/4/28 08:33
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
アイフリークモバイル<3845>(JQ)は、電子絵本アプリや知育アプリなどのコンテンツ事業およびコンテンツクリエイターサービス事業を展開し、中期成長に向けてユーザー数拡大やデジタルコンテンツ資産有効活用を推進している。4月27日には知育アプリ「あそびタッチ」サブスクリプションモデルを開始したと発表している。21年3月期黒字予想である。22年3月期も収益改善基調を期待したい。株価は徐々に水準を切り上げてモミ合いから上放れの動きを強めている。戻りを試す展開を期待したい。なお5月14日に21年3月期決算発表を予定している。
■コンテンツ事業とコンテンツクリエイターサービス事業を展開
携帯電話・スマートフォン向けコンテンツ企画・開発・配信のコンテンツ事業、WEBコンテンツ制作・システム受託開発および人材派遣のコンテンツクリエイターサービス事業を展開している。
20年3月期の売上高構成比はコンテンツ事業17%、コンテンツクリエイターサービス事業83%、営業利益構成比(調整前)はコンテンツ事業119%、コンテンツクリエイターサービス事業▲19%だった。
コンテンツ事業は、デジタル素材「デココレ」を主力として、電子絵本アプリや知育アプリなどの親子向けサービス、オリジナル絵文字やグループチャットを搭載したウォレットアプリ「Challet」も展開している。
デジタルコンテンツの確保にあたっては、クリエイター支援のWEBサイト「CREPOS」によって外部クリエイターを組織化している。20年9月には「CREPOS」をリニューアルした。
20年1月にはソフトウェア開発のリアリゼーションを子会社化、ソフトウェア開発のリアルタイムメディア(20年3月にアイフリークスマイルズに吸収合併)を子会社化して同社の子会社ファンレボを孫会社化した。21年1月にはアイフリークスマイルズがファンレボの全株式を譲渡、21年2月にはコンテンツクリエイターサービス事業の子会社アイフリークGAMESを吸収合併した。また21年6月には子会社のリアリゼーションを吸収合併予定である。
■ユーザー数拡大とデジタルコンテンツ資産の有効活用を推進
中期成長戦略として、コンテンツ事業におけるユーザー数の拡大、デジタルコンテンツ資産の有効活用、コンテンツクリエイターサービス事業における人材確保とサポート体制充実などを推進している。またM&Aも積極活用する方針だ。
20年9月にはミャンマーの新興通信事業者GALAXIA社と、ミャンマーにおけるモバイルコンテンツサービス分野およびシステムインテグレーション分野で業務提携した。20年10月にはRPA導入コンサルティングサービスのITSO社と業務提携、20年11月にはITエンジニア育成EdTechサービスのヒートウェーブと業務提携、20年12月にはAI CROSS社とセールスパートナー契約を締結した。
■21年3月期黒字予想
21年3月期の連結業績予想は、売上高が20年3月期比2.3倍の38億81百万円、営業利益が12百万円の黒字(20年3月期は2億35百万円の赤字)、経常利益が11百万円の黒字(同2億09百万円の赤字)、親会社株主帰属当期純利益が8百万円の黒字(同2億14百万円の赤字)としている。
第3四半期累計は、売上高が前年同期比2.3倍の23億75百万円、営業利益が1億37百万円の赤字(前年同期は1億89百万円の赤字)、経常利益が20百万円の黒字(同1億80百万円の赤字)、四半期純利益が25百万円の黒字(同1億77百万円の赤字)だった。
コンテンツ事業は売上高が12.2%減の2億01百万円だが、業務効率化効果で営業利益が49.9%増の32百万円だった。コンテンツクリエイターサービス事業は売上高が2.8倍の21億73百万円で、営業利益が30百万円の黒字に転換(前年同期は19百万円の赤字)した。エンジニア稼働率上昇やM&A(20年1月、リアルタイムメディア、リアリゼーション)が寄与した。なお営業外収益に雇用調整助成金収入1億09百万円を計上して経常利益と四半期純利益は黒字転換した。
四半期別に見ると、第1四半期は売上高が5億71百万円で営業利益1億22百万円の赤字、第2四半期は売上高10億24百万円で営業利益7百万円の黒字、第3四半期は売上高7億80百万円で営業利益22百万円の赤字だった。
通期は黒字予想としている。来期以降の成長に向けた足場固めとして、コンテンツ事業ではウォレットアプリ「Challet」の機能・コンテンツ拡充による導入社数増加、ファミリーコンテンツのブラッシュアップによるユーザー拡大、20年9月サイトリニューアルした「CREPOS」の新たな収益源への育成、コンテンツクリエイターサービス事業ではクリエイターのスキルアップによる高収益化などを推進する方針だ。さらに22年3月期も収益改善基調を期待したい。
■株価はモミ合い上放れの動き
株価は徐々に水準を切り上げてモミ合いから上放れの動きを強めている。戻りを試す展開を期待したい。4月27日の終値は162円、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS47銭で算出)は約345倍、前々期実績連結PBR(前々期実績の連結BPS22円24銭で算出)は約7.3倍、時価総額は約28億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)