【どう見るこの相場】海運株は「海の日」のフシ目に向けまだ買い余地!?

■「金曜日の引けピン」、「金曜日の後場高」の相場ジンクス

 「金曜日の引けピン」、「金曜日の後場高」である。これは、兜町では、週末休みを控える金曜日の大引けギリギリまで買いが勢いを増していることから、翌週も相場が強調展開をすることも示唆する相場ジンクスとして固く信じられてきた。前週末7日の海運株大手3社の株価が、まさにこれだ。川崎汽船<9107>(東1)は、高値引けで連日の上場来高値更新となり、日本郵船<9101>(東1)と商船三井<9104>(東1)も、ほぼこの日の高値圏で引け同じように上場来高値を連続更新した。

 この日は、日本製鉄<5401>(東1)が3連騰して年初来高値を更新したことなどからも鉄鋼株が、業種別値上がり率ランキングでトップに躍り出るなど景気敏感株買いが優勢となった。海運株も、同ランキングでは第2位と続き、日経平均株価が、26円高と大引けにかけ伸び悩み小幅続伸にとどまったことと対照的な動きとなった。この「金曜日の後場高」は、後場取引時間中に伝わった中国の4月の貿易統計が、買い手掛かりの一つとなったようである。

 同統計では、輸出が、前年同月比32.3%増と3月の同30.6%から加速し、輸入も同43.1%増となったからだ。この好調な経済統計は、その後オープンした米国市場でも買い手掛かりの一つとなり、ダウ工業株30種平均は、3日連続で史上最高値を更新した。

 こうなると海運株の「金曜日の引けピン」、「金曜日の後場高」の相場ジンクスを信じていいものか強弱感が対立することになる。というのも川崎汽船は、週明け10日の前場取引時間中の11時、日本郵船も同12時に3月期決算の発表を予定しているからだ。大型連休前からスタートした3月期決算の発表では、気紛れ、チグハグと形容されるような決算プレーが相次ぎ、好業績発表会社が好材料出尽くし・織り込み済みとして急落、好業績と自己株式取得を同時発表したソニーグループ<6758>(東1)に至っては、決算発表以来の株価下落が止まらない投資家心理の逆となるケースも出た。

 海運大手3社は昨年8月以来、何回も前期業績を上方修正し配当も増配、株価も大幅高してきたが、この要因は、定期コンテナ船の好調推移にある。新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的な大流行)で巣ごもり需要が拡大し、アジアから北米に貨物を運ぶ荷動きが活発化し、船混みも発生して海上コンテナが不足となりコンテナ船の運賃が急騰、大手3社が2017年に定期コンテナ船事業を統合して設立したオーシャンネットワークエクスプレス(ONE)の業績が大幅増益となり、持分法投資利益が3社の業績を大きく押し上げたのである。

 ということは、海運株の株価の先行きは、この定期コンテナ船の集荷・運航状況がカギを握っていることになる。すでに4月30日に3月期決算を発表した商船三井は、しばらくは好調が続くが「期中に軟化」とガイダンスした。ただその一方で、今年春先の大手荷主との長期契約交渉では、高水準の運賃契約となったとも伝えられ、同社の株価は、決算発表から700円高した。そこで今週の当特集では、やや急ぎ働きとなることは否めないが、緊急事態宣言が延長されコロナワクチンの接種が遅れている国内市場より、その圏外に位置する国際海運市場を舞台とする海運株とコンテナ船関連の周辺株に注目することとした。川崎汽船、日本郵船の決算発表、業績ガイダンスをウオッチしつつ、軟化観測の次のフシ目とされる「海の日」の7月22日までをマークしたい。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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