クレスコは22年3月期増収増益・増配予想

(決算速報)
 クレスコ<4674>(東1)は5月10日の取引時間終了後に21年3月期連結業績を発表した。受注が新型コロナウイルスの影響を受けたが、生産性向上も寄与して営業微減益にとどまった。経常利益と純利益はデリバティブ評価損益改善や投資有価証券売却益計上で増益だった。22年3月期は増収増益・増配予想としている。受注環境改善が継続する見込みだ。収益拡大を期待したい。株価は年初来高値圏で堅調だ。上値を試す展開を期待したい。

■21年3月期営業微減益、経常・最終増益、22年3月期増収増益予想

 21年3月期の連結業績は、売上高が20年3月期比0.9%増の397億06百万円、営業利益が2.0%減の34億84百万円、経常利益が10.5%増の41億01百万円、親会社株主帰属当期純利益が8.8%増の26億34百万円だった。配当は20年2月1日付株式2分割換算後で2円増配の38円(第2四半期末18円、期末20円)とした。

 受注が期前半に新型コロナウイルスの影響(対面営業の制限、顧客におけるIT投資計画見直しなど)を受けた。しかし期後半に向けて緩やかに回復し、不採算案件の極小化や生産性向上なども寄与して営業微減益にとどまった。経常利益と当期純利益はデリバティブ評価損益改善や投資有価証券売却益計上で増益だった。

 ソフトウェア開発事業は2.5%増収で1.8%増益だった。公共サービスが新型コロナウイルスの影響を受けたが、金融および流通・その他が好調に推移した。組込型ソフトウェア開発事業は6.1%減収で15.6%減益だった。期前半に受注が落ち込み、コロナ禍に起因する受注単価低下も影響した。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高94億04百万円で営業利益4億26百万円、第2四半期は売上高97億99百万円で営業利益9億40百万円、第3四半期は売上高98億15百万円で営業利益10億22百万円、第4四半期は売上高106億88百万円で営業利益10億96百万円だった。緩やかに回復傾向だ。

 22年3月期連結業績予想は、売上高が21年3月期比6.8%増の424億円、営業利益が10.5%増の38億50百万円、経常利益が2.4%増の42億円、親会社株主帰属当期純利益が8.2%増の28億50百万円としている。配当予想は2円増配の40円(第2四半期末20円、期末20円)である。

 前期のIT投資抑制の反動などで受注環境改善が継続する見込みだ。なおセグメント区分をITサービス、デジタルソリューションに変更する。中期経営計画では24年3月期の目標値に売上高500億円、営業利益50億円、ROE15%以上を掲げた。収益拡大を期待したい。

■株価は上値試す

 株価は年初来高値圏で堅調だ。増収増益・増配予想を評価して上値を試す展開を期待したい。5月10日の終値は1697円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS135円58銭)で算出は約13倍、時価総額は約390億円である。

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