ラクーンの前15年4月期業績は、増収大幅増益を達成、今期も2ケタ増収増益を見込む
- 2015/6/10 16:42
- 決算発表記事情報
■世界134カ国以上の企業へ卸販売が可能となる「SD export」を開始
10日引け後発表されたラクーン<3031>(東マ)の前15年4月期業績は、増収大幅増益を達成した。今期も2ケタ増収増益を見込む。また、今年の8月より、世界134カ国以上の企業へ卸販売が可能となる「SD export」を開始することも発表した。
前15年4月期連結業績は、売上高20億56百万円(14年4月期比6.4%増)、営業利益3億36百万円(同35.7%増)、経常利益3億27百万円(同31.8%増)、純利益2億01百万円(同63.4%増)であった。
同社は、EC事業、Paid事業、売掛債権保証事業の3事業を展開している。
EC事業の主力、「スーパーデリバリー」においては、引き続き質の高い会員小売店、出展企業を獲得したうえで、客単価や稼働率の向上を図った。また、営業体制の変更の効果により新規出店企業が継続的に増えている。この結果、「スーパーデリバリー」の流通額は95億34百万円(同3.2%増)となった。
一方の「COREC」については、14年9月より有料プランの課金を開始した。ビジネスの初期段階であるため、知名度の向上とユーザー獲得に注力した。また、ユーザーの利便性向上のため、POSレジアプリ「Squareレジ」、「Yahoo!ショッピング」とシステム連携を行った。その結果、ユーザー数は2290社となった。
EC事業の売上高は15億47百万円(同2.6%増)、セグメント利益2億33百万円(同39.4%増)と増収大幅増益を達成した。
Paid事業は、加盟企業の獲得増加と加盟企業の稼働率向上を図ることに取り組んできた。当期間では、15年3月より売掛債権の流動化を実施した。流動化スキームの導入により、毎月、決済期日到来前に売掛債権に該当する資金の調達を行う環境が整い、今まで以上に多種多様な業種の加盟企業の獲得にも取組んでいる。この結果、Paid事業の売上高は2億69百万円(同29.8%増)、セグメント利益は△16百万円(14年4月期△37百万円)と大幅増収になったことで、赤字額は半減した。
売掛債権保証事業については、引き続き営業力強化に取り組むことで、保証残高の拡大を図っている。14年4月中旬に開始した事業用家賃保証サービスの保証残高も堅調に積み上がり始め、保証残高全体の下支えに寄与した。この結果、保証残高は64億71百万円(同38.0%増)となり、売掛債権保証事業の売上高は5億68百万円(同13.3%増)と2ケタ増収となったが、第4四半期に一時的に多額の保証履行が発生した影響で、セグメント利益73百万円(同2.9%増)となった。
今期16年4月期連結業績予想は、売上高22億70百万円(前期比10.4%増)、営業利益4億15百万円(同23.5%増)、経常利益4億10百万円(同25.4%増)、純利益2億60百万円(同29.4%増)と2ケタ増収増益を見込む。
今期については、8月25日より、世界134カ国以上の企業へ卸販売が可能となる「SD export」を開始する予定。まず、海外でのスーパーデイバリーの知名度向上のために、当面の間、広告宣伝費が増加することを見込んでいる。
通常、輸出販売を行う輸出者は複数の手続きを行う必要がるが、通販出荷代行サービスを行っているDMSのサービスを利用することによりDMS側が商品保管管理から出荷作業まで物流に関するすべてを代行するため、スーパーデリバリーを利用するメーカーはサイト上で海外小売店からの注文を受けると、専用伝票を貼って日本国内にあるDMSの倉庫に商品を送るだけで、134カ国以上の小売店・企業に対して卸販売が可能となる。
同社にとっては、国内はもとより海外の市場に向けての販売体制を整えたことから、今後の事業拡大は大いに期待される。