Jトラストは21年12月期1Q大幅増益、通期予想を大幅に上方修正

(決算速報)
 Jトラスト<8508>(東2)は5月13日の取引時間終了後に21年12月期第1四半期連結業績を発表した。大幅増益だった。東南アジア金融事業の収益が改善したことに加えて、GL社に対する訴訟の勝訴判決で一部履行を受けた。そして通期予想を大幅に上方修正した。ポートフォリオ再編で収益改善基調を期待したい。株価は急反発している。さらに大幅上方修正を評価して戻りを試す展開を期待したい。

■21年12月期1Q大幅増益、通期予想を大幅に上方修正

 21年12月期第1四半期連結業績(IFRS)は営業収益が前年同期比1.3%減の108億67百万円、営業利益が14倍の44億円、税引前利益が28倍の62億13百万円、四半期利益が83.6%増の28億29百万円だった。

 東南アジア金融事業の収益が改善し、さらにGL社に対する訴訟の勝訴判決で一部履行を受けた。セグメント別利益は日本金融事業が0.9%増の11億82百万円、韓国およびモンゴル金融事業が55.4%増の11億79百万円、東南アジア金融事業が5億21百万円(前年同期は12億04百万円の赤字)、投資事業が30億38百万円(同4億73百万円の赤字)だった。

 そして通期連結業績(IFRS)予想を大幅に上方修正し、営業収益が20年12月期比5.0%減の421億01百万円、営業利益が55億03百万円の黒字(20年12月期は19億53百万円の赤字)、税引前利益が82億55百万円(同1億84百万円の赤字)、親会社所有者帰属当期利益が20億円の黒字(同53億42百万円の赤字)とした。

 第2四半期に、GL社に対する訴訟の勝訴判決で一部履行として4月7日に受領した1700万米ドル、および4月29日に受領した720万米ドルを、その他収益として計上する。なお株式譲渡を中止した韓国・JT貯蓄銀行を継続事業に組み込む。一方で株式譲渡を決定した韓国・JTキャピタルを非継続事業とする。

 修正後のセグメント別利益計画は、日本金融事業が36億円、韓国およびモンゴル金融事業が26億円(29億円上方修正)、東南アジア金融事業が43億円の赤字、投資事業が53億円(27億円上方修正)、その他が2億円の赤字としている。ポートフォリオ再編で収益改善基調を期待したい。

■株価は戻り試す

 株価は急反発している。さらに大幅上方修正を評価して戻りを試す展開を期待したい。5月13日の終値は318円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS18円89銭で算出)は約17倍、時価総額は約367億円である。

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