トーソーは21年3月期大幅増益着地、22年3月期減益予想だが保守的

(決算速報)
 トーソー<5956>(東2)は5月13日の取引時間中に21年3月期連結業績を発表した。新型コロナ影響などで減収だが、各利益は原価低減効果で従来の減益予想から一転して大幅増益で着地した。22年3月期は実質減益予想としているが、やや保守的だろう。需要が回復基調であり、上振れを期待したい。株価は年初来高値圏だ。決算発表直後に減益予想を嫌気する動きが優勢になる場面があったが、下値は限定的だった。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。

■21年3月期は大幅増益着地、22年3月期は減益予想だが保守的

 21年3月期の連結業績は、売上高が20年3月期比5.6%減の214億21百万円、営業利益が21.9%増の10億97百万円、経常利益が29.0%増の11億40百万円、親会社株主帰属当期純利益が28.8%増の7億50百万円だった。配当は20年3月期と同額の10円(第2四半期末5円、期末5円)とした。

 新型コロナ影響などで減収だが、各利益は原価低減効果で従来の減益予想から一転して大幅増益で着地した。室内装飾関連事業は5.5%減収だが22.3%増益、その他は12.3%減収で18.2%減益だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が47億80百万円で営業利益が1億55百万円、第2四半期は売上高が52億68百万円で営業利益が1億62百万円、第3四半期は売上高が54億93百万円で営業利益が4億45百万円、第4四半期は売上高が58億80百万円で営業利益3億35百万円だった。

 22年3月期連結業績予想は売上高が217億円、営業利益が7億20百万円、経常利益が7億30百万円、親会社株主帰属当期純利益が4億70百万円としている。収益認識に関する企業会計基準第29号を適用するため前期比増減率は非記載だが、21年3月期実績値との単純比較では売上高が1.3%増収、営業利益が34.4%減益、経常利益が36.0%減益、当期純利益が37.3%減益となる。配当予想は21年3月期と同額の10円(第2四半期末5円、期末5円)である。

 新型コロナウイルスの影響などを考慮して実質減益予想としているが、やや保守的だろう。需要が回復基調であり、上振れを期待したい。

■株価は年初来高値圏

 株価は年初来高値圏だ。決算発表直後に減益予想を嫌気する動きが優勢になる場面があったが、下値は限定的だった。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。5月13日の終値は555円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS52円67銭で算出)は約11倍、時価総額は約56億円である。

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