ミロク情報サービスは22年3月期実質減益予想だが保守的

(決算速報)
 ミロク情報サービス<9928>(東1)は5月13日の取引時間終了後に21年3月期連結業績を発表した。特需の反動や新型コロナ影響などで営業・経常減益だった。ただし従来予想に対して上振れ着地した。22年3月期は新型コロナ影響の継続やソフトウェア提供形態のシフトなどを考慮して実質減益予想としている。ただし保守的だろう。上振れを期待したい。なお中期経営計画を公表した。株価は地合い悪化で安値更新の展開となった。すでに大きく売り込まれた水準であり、減益予想に対して下値限定的だろう。

■21年3月期営業・経常減益だが上振れ、22年3月期減益予想だが保守的

 21年3月期連結業績は、売上高が20年3月期比4.0%減の340億66百万円、営業利益が13.4%減の45億26百万円、経常利益が15.1%減の45億11百万円、親会社株主帰属当期純利益がソフトウェア評価損一巡で44.3%増の26億54百万円だった。配当は20年3月期と同額の38円(期末一括)とした。

 Windows7サポート終了に伴うPC入れ替え特需の反動減、新型コロナ影響による営業・システム導入支援活動の制約などで減収、営業・経常減益だった。システム導入契約売上高はPCの反動減などで13.5%減収だった。サービス収入はサブスクリプションモデルの増加や新規顧客の保守契約の増加などで10.1%増収と順調だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高79億32百万円で営業利益9億92百万円、第2四半期は売上高85億90百万円で営業利益14億97百万円、第3四半期は売上高84億39百万円で営業利益11億16百万円、第4四半期は売上高が91億05百万円で営業利益9億21百万円だった。

 22年3月期の連結業績予想は、売上高が374億円、営業利益が40億30百万円、経常利益が40億円、そして親会社株主帰属当期純利益が23億80百万円としている。配当予想は21年3月期と同額の38円(期末一括)である。

 収益認識に関する企業会計基準第29号を適用するため、前期比増減率は非記載だが、21年3月期実績値との単純比較で見ると、売上高が9.8%増収、営業利益が11.0%減益、経常利益が11.3%減益、当期純利益が10.3%減益となる。新型コロナ影響の継続やソフトウェア提供形態のシフトなどを考慮して実質減益予想としている。ただし保守的だろう。上振れを期待したい。

 なお中期経営計画では目標値に26年3月期売上高550億円、経常利益125億円、経常利益率22.7%、ROE20%超を掲げた。収益拡大を期待したい。

■株価は下値限定的

 株価は地合い悪化で安値更新の展開となった。すでに大きく売り込まれた水準であり、減益予想に対して下値限定的だろう。5月13日の終値は1717円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS78円19銭で算出)は約22倍、時価総額は約598億円である。

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