テンポイノベーションは22年3月期増収増益予想

(決算速報)
 テンポイノベーション<3484>(東1)は5月13日の取引時間終了後に21年3月期業績を発表した。営業利益は新型コロナ影響で減益だが、従来予想に対して減益幅が縮小した。経常利益と当期純利益は、従来の減益予想から一転して増益で着地した。22年3月期は増収増益予想としている。収益拡大を期待したい。株価は上値を切り下げる形だが、増収増益予想を評価して戻りを試す展開を期待したい。

■21年3月期は営業減益だが計画超、22年3月期増収増益予想

 21年3月期の業績(非連結)は、売上高が20年3月期比3.6%増の103億42百万円、営業利益が6.8%減の7億31百万円、経常利益が3.7%増の8億41百万円、当期純利益が2.0%増の5億75百万円だった。配当は20年3月期と同額の9円(期末一括)とした。

 売上高、利益とも従来予想を上回った。営業利益は新型コロナ影響で減益だが、従来予想に対して減益幅が縮小した。経常利益と当期純利益は、従来の減益予想から一転して増益で着地した。販管費抑制も寄与した。

 店舗転貸借事業は1.9%増収で12.8%減益だった。転貸借契約件数(新規契約件数と後継付け件数の合計)は20.9%減の314件、期末転貸借物件数は22件増加の1706件となった。不動産売買事業は29.1%増収で8.9%増益だった。2物件を売却した。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が24億04百万円で営業利益が1億円、第2四半期は売上高が27億69百万円で営業利益が1億90百万円、第3四半期は売上高が27億63百万円で営業利益が3億14百万円、第4四半期は売上高が24億06百万円で営業利益が1億27百万円だった。

 22年3月期業績(非連結)予想は、売上高が21年3月期比9.6%増の113億34百万円、営業利益が11.3%増の8億14百万円、経常利益が3.4%増の8億70百万円、当期純利益が3.4%増の5億95百万円としている。配当予想は未定としている。

 新型コロナウイルスの影響で飲食業界の厳しい状況が継続するが、飲食店経営者のニーズの変化に合致した店舗物件の仕入を推進する。新型コロナ収束への過程でテナント募集が増加し、平常時よりも優良店舗物件を仕入れる機会が増加する可能性もあるとしている。収益拡大を期待したい。

 なお株主優待制度について、単元未満株式の取り扱い変更(詳細は会社HP参照)を発表している。

■株価は戻り試す

 株価は上値を切り下げる形だが、増収増益予想を評価して戻りを試す展開を期待したい。5月13日の終値は846円、今期予想PER(会社予想のEPS33円39銭で算出)は約25倍、時価総額は約151億円である。

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