【どう見るこの相場】逆業績相場が業績相場に仕切り直しか?!自己株式取得の低PER株に先回り優位性

 日経平均株価は、3日間で705円上げ、3日間で2070円下げ、前週末14日には636円高とリバウンドするなど5月相場は、上に下へと忙しい。本来ならこの時期は、3月期決算会社の業績発表に反応して業績相場が展開されるはずであった。コロナ禍による景気の落ち込みや消費マインドの低下を織り込み、コロナワクチン接種の進展と経済活動の正常化を先取り業績の回復期待が高まり、あの米国の相場格言の「Sell in May,and Go away(5月に売り逃げろ)」が、示唆する5月調整相場のアノマリーを心配する必要はないという楽観論まで聞かれた。

 ところが、肝心の米国で、史上最高値を更新中のダウ工業株30種(NYダウ)の雲行きが怪しくなってきた。雇用統計や物価統計などの経済指標が、市場予想を上回るほど順調で、逆にインフレ懸念が強まり、米連邦準備制度理事会(FRB)が、テーパリング(金融緩和の縮小)の検討を開始するのではないかと疑心暗鬼になり、長期金利も上昇したことが、引き金となった。NYダウは、前週末14日を含む2日間で794ドル高と反発し一息ついたが、5月はまだ半月残しており、「Sell in May」がまだ続くのか、それともこのところの調整で「Sell in May」は一巡したのかなお不透明である。

 わが東京市場は、さらに心許ない。3回目の緊急事態宣言が5月31日まで延長され、さらに対象地域が9都道府県に拡大されており、高齢者へのワクチン接種も、予約段階でのトラブル頻発が伝えられている。さらに7月23日に開会式が迫った東京オリンピックも、菅義偉首相が、記者会見のたびに繰り返す「安全、安心な大会」として開催できるのか、これも投資家マインドに影響するイベント与件として頭に入れて置かなくてはならないのである。

 昨年は、まったく異なっていた。第1回目の緊急事態宣言が発出された昨年4月7日から、新規感染者の拡大が続いたにもかかわらず業績相場が続いた。「with(ウイズ)コロナ」銘柄の業績上方修正に加え、業績下方修正株や業績悪化予想銘柄でも、それに先立つ3月のパニック安で織り込み済みとして底上げしたからである。日経平均株価は、発出日の1万8950円が、解除日の5月25日の2万741円まで約1800円高した。

 またこのときは、異例の資本政策も歓迎された。自己株式取得の中止である。「100年に一度のパンデミック(世界的な大流行)」の危機的状況を前にROE(株主資本利益)経営より事業継続計画(BPC)を優先し、資本の社外流出を抑え外部資金を取り込むコミットメントラインの契約や新株予約権付社債の発行が相次いだ。

 今年は、現状ではこれが真逆にひっくり返っている。まず業績は、前期業績が上ぶれ着地し今期業績の続伸が予想されても、材料出尽くし・織り込み済みとして株価の上値反応はいかにも鈍い。また自己株式取得も、決算発表が本格化するに従って昨年とは異なり実施会社が増勢となってきたが、素直に需給好転要因として株価評価される銘柄は少数派にとどまっている。

 そこで今週の当特集では、5月の日経平均株価の2070円安で早々と「Sell in May」を織り込み、ここから期待通りの業績相場に仕切り直しすると想定することとした。となれば注目されるのは当然、自己株式取得にサポートされる低PER銘柄である。ターゲットは、今年4月以降に自己株式取得を発表し、業績が続伸予想にある銘柄となる。万が一にも5月相場の「Sell in May」の名残りが長引くとしても、下値抵抗力の強さを発揮してくれるはずだ。取得総額が、1000億円超の大型主力株から10億円前後にとどまる小型株まで、幅広い銘柄が有力株として浮上が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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