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【アナリスト水田雅展の銘柄分析】フォーカスシステムズの16年3月期業績は増額含み、マイナンバー制度やサイバー攻撃関連も期待
- 2015/6/11 06:38
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
フォーカスシステムズ<4662>(東2)はシステム構築・保守・運用・機器関連事業を展開している。5月25日付でJASDAQから東証2部に市場変更したことも好感して、株価は高値更新の展開だ。16年3月期は増収増益予想で増額含みである。強基調に変化はなく、マイナンバー制度関連やサイバー攻撃関連の需要増加も期待して上値を追う展開だろう。
公共関連・民間関連のシステム構築・保守・運用・管理サービスを主力として、セキュリティ機器関連事業も展開している。
顧客別に見るとNTTデータ<9613>関連、および日本IBM関連を主力として、CTC(伊藤忠テクノソリューションズ)<4739>関連、沖電気<6703>関連、ソフトバンク<9984>関連などが続いている。主要顧客上位3社向け売上高の占める割合は14年3月期が47.4%、15年3月期が47.8%だった。
中期成長に向けた重点戦略として、需要が潤沢なインフラビジネス分野における技術者の育成、ノウハウ蓄積にも繋がる運用系業務分野におけるシェア拡大、業務アプリケーション分野における専門技術への取り組み強化による対応領域拡大を推進している。また民間関連事業では関東圏・近畿圏に加えて、東海圏での業務拡大に取り組んでいる。
6月1日には、7月1日~3日開催(東京ビックサイト)の「コンテンツ東京2015」に電子透かしソリューションを出展すると発表した。協業パートナーである三菱電機インフォーメーションシステムズも出展する。
なお15年3月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月~6月)35億83百万円、第2四半期(7月~9月)37億03百万円、第3四半期(10月~12月)35億90百万円、第4四半期(1月~3月)42億05百万円、営業利益は第1四半期99百万円、第2四半期1億96百万円、第3四半期2億40百万円、第4四半期4億05百万円だった。
第4四半期の構成比が高い収益構造だが、公共関連事業やセキュリティ機器関連事業の好調で、営業損益は改善基調を鮮明にしている。
また15年3月期の配当性向は29.3%だった。ROEは14年3月期比0.8ポイント上昇して10.0%、自己資本比率は同4.7ポイント上昇して47.2%となった。
今期(16年3月期)の非連結業績予想(5月8日公表)は売上高が前期比1.4%増の153億円、営業利益が同1.0%増の9億50百万円、経常利益が同2.5%増の9億20百万円、純利益が同1.2%増の6億円としている。
配当予想については前期と同額の年間25円(期末一括)としている。予想配当性向は28.8%となる。なお前期の年間25円には特別配当15円が含まれるが、今期は普通配当で25円としている。
公共関連事業は社会保険・医療保険関連分野やマイナンバー関連分野、民間関連事業は企業のITインフラ投資関連、セキュリティ機器関連事業は官公庁のサイバー攻撃対策や企業のマイナンバー対応関連を中心として、いずれも需要は高水準に推移する見通しだ。利益は人材採用・育成など今後の事業展開を睨んだ先行投資負担で微増益にとどまる見込みとしているが、高水準の需要を背景として16年3月期業績は増額含みだろう。
株価の動き(15年5月25日付でJASDAQから東証2部に市場変更)を見ると、14年10月の1210円を上抜いた後は高値更新の展開だ。6月8日には1478円まで上伸した。マイナンバー制度関連やサイバー攻撃関連が材料視され、JASDAQから東証2部に市場変更したことも好感されたようだ。
6月10日の終値1424円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS86円66銭で算出)は16~17倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間25円で算出)は1.8%近辺、前期実績PBR(前期実績のBPS977円72銭で算出)は1.5倍近辺である。
日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって上昇トレンドの形だ。16年3月期は増収増益予想で増額含みである。強基調に変化はなく、マイナンバー制度関連やサイバー攻撃関連の需要増加も期待して上値を追う展開だろう。