ティムコは戻り試す、21年11月期黒字転換予想

日インタビュ新聞ロゴ

 ティムコ<7501>(JQ)はフィッシング用品およびアウトドア用品の企画・開発・販売事業を展開している。21年11月期は2桁増収・黒字転換予想としている。3密を避けるためのアウトドア人気も背景として収益改善基調を期待したい。株価は地合い悪化も影響して戻り高値圏から反落したが調整一巡感を強めている。低PBRも見直して戻りを試す展開を期待したい。

■フィッシング用品およびアウトドア用品の企画・販売

 フィッシング用品(ルアーフィッシング用品、フライフィッシング用品)およびアウトドア用品(アウトドア衣料・用品)の企画・開発・販売事業を展開している。

 20年11月期セグメント別売上高構成比はフィッシング事業が33%、アウトドア事業が66%、その他(不動産賃貸収入など)が1%だった。

 基本戦略として、規模の拡大よりも内容の充実に重点を置き、フィッシング事業ではフライ用品の裾野拡大やルアー用品のユーザー層拡大、アウトドア事業ではオリジナルアウトドアブランド「Foxfire」や直営店舗「Foxfire Store」の認知度向上・ユーザー層拡大に取り組んでいる。

 19年4月にはスノーピーク<7816>と資本業務提携し、スノーピークが第1位株主となった。商品開発・販売などを共同展開する。

■21年11月期2桁増収・黒字転換予想

 21年11月期の業績(非連結)予想(期初時点では未定、4月12日公表)は、売上高が20年11月期比16.5%増の31億06百万円、営業利益が6百万円の黒字(20年11月期は1億34百万円の赤字)、経常利益が15百万円の黒字(同1億27百万円の赤字)、当期純利益が0百万円の黒字(同2億28百万円の赤字)としている。配当予想は20年11月期と同額の5円40銭(期末一括)である。

 第1四半期は売上高が前年同期比13.8%増の7億07百万円、営業利益が60百万円の赤字(前年同期は51百万円の赤字)、経常利益が54百万円の赤字(同49百万円の赤字)、四半期純利益が54百万円の赤字(同55百万円の赤字)だった。利益面は在庫品値引き販売で売上総利益率が低下し、新規直営店舗出店に伴う経費増加も影響して前年並みの赤字だった。ただし売上面は2桁増収で回復基調となった。

 フィッシング事業は26.7%増収で702.8%増益だった。3密を避けたアクティビティとして釣りが注目され、ルアー商品は新製品、フライ用品は既存商品の販売が好調だった。アウトドア事業は9.3%増収で赤字だった。売上面は、緊急事態宣言再発出で百貨店や商業施設の集客減少の影響を受けたが、前期に新規出店した直営店の新店効果が寄与して増収だった。利益面は値引き販売や新規出店に伴う運営経費増加で赤字だった。

 通期は、アウトドア事業は主要販路である百貨店や商業施設の集客回復が見込めず厳しい事業環境だが、フィッシング事業の売上が回復基調であり、全体として2桁増収・黒字転換予想としている。

 売上拡大・利益確保策として、ネット通販や宣伝販売促進の更なる強化、フィッシング事業の強化、直営店フォックスファイヤーの販売チャネル見直しや不採算店舗整理による事業効率化、社内業務見直しによる販管費コントロール・経費削減などを推進するとしている。3密を避けるためのアウトドア人気も背景として収益改善基調を期待したい。

■株主優待制度は毎年11月末の株主対象

 株主優待制度は毎年11月30日現在の株主を対象として、保有株式数に応じてFoxfire Store20%OFFお買物優待券を贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は戻り試す

 株価は地合い悪化も影響して戻り高値圏から反落したが調整一巡感を強めている。低PBRも見直して戻りを試す展開を期待したい。5月20日の終値は727円、今期予想配当利回り(会社予想の5円40銭で算出)は約0.7%、前期実績PBR(前期実績のBPS1824円37銭で算出)は約0.4倍、時価総額は約24億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■内蔵インヒールで自然な足長効果、フォーマルからビジネスまで対応  青山商事<8219>(東証プラ…
  2. ■デュアル周波数対応で通信の安定性を確保  世界的なDX進展を背景に京セラ<6971>(東証プライ…
  3. ■リアルタイム文字起こしと自動要約で議事録作成を効率化  シャープ<6753>(東証プライム)は2…
2025年4月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930  

ピックアップ記事

  1. ■低PER・高配当利回り、不動産・銀行株が市場を牽引  3月の東京都区部消費者物価指数が前年比2.…
  2. ■新年度相場のサブテーマは「物価」?!  米国のトランプ大統領は、「壊し屋」と奉る以外にない。その…
  3. ■新年度相場の初動として注目される値上げ関連銘柄  4月予定の値上げは、原材料価格上昇や物流費増加…
  4. どう見るこの相場
    ■トランプ関税懸念も『総論弱気、各論強気』の市場展開  「トランプ・ディール(取引)」と「トランプ…
  5. ■名変更会社の局地戦相場の待ち伏せ買いも一考余地  今年4月1日以降、来年4月1日まで社名変更を予…
  6. ■あの銘柄が生まれ変わる!市場を揺るがす社名変更、次なる主役は?  「トランプ・トレード」が、「ト…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る