エイジアは上値試す、22年3月期大幅増収増益・連続増配予想

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

 エイジア<2352>(東1)はメール配信システムの大手である。クラウドサービスやM&Aの加速で中期成長を目指している。21年3月期はのれん償却などで営業・経常・最終減益だが、EBITDAは増収効果で2桁増益だった。22年3月期はM&A効果やクラウドの成長で大幅増収増益・連続増配予想としている。中期経営計画の目標値も上方修正した。収益拡大基調を期待したい。なお21年7月1日付で社名をWOW WORLD(ワオワールド)に変更予定である。株価は急伸して20年10月の高値に接近している。上値を試す展開を期待したい。

■メール配信などe-CRMシステム「WEBCAS」シリーズが主力

 自社開発e-CRMシステムのWEBCASシリーズのアプリケーション事業を主力として企業のCRM運用支援を行い、コンサルティング、システム受託開発、EC事業(子会社ままちゅのベビー服ECサイト「べびちゅ」運営)も展開している。eメールを活用したマーケティングソリューションを強みとしている。

 なおリレーションエンジニアリングのプロ集団として生まれ変わるべく、21年7月1日付(予定)で社名をWOW WORLD(ワオワールド)に変更する。さらにM&Aを加速させるため持株会社体制への移行(22年7月予定、持株会社の仮称:WOW WORLD GROUP)を検討開始する。

 メール配信システム「WEBCAS e-mail」は、顧客の嗜好、属性、購買履歴などに基づいたOne to Oneメールを、世界トップレベルの最高300万通/時で送信することが可能な超高速性が強みである。WEBCASシリーズはメール配信システム「WEBCAS e-mail」を中心とするe-CRMアプリケーションシリーズで、21年3月末時点で導入企業数が7000社を突破した。国内メール配信パッケージ市場シェア1位(ITR発行の市場調査レポート、2019年度ベンダー別売上金額)である。

 21年3月期のセグメント別売上高構成比はアプリケーション事業71%、コンサルティング事業21%、オーダーメイド開発事業0%、EC事業7%、営業利益構成比(調整前)はアプリケーション事業96%、コンサルティング事業6%、オーダーメイド開発事業0%、EC事業▲2%だった。

 22年3月期からセグメント区分を、エンタープライズ・ソフトウェア事業(従来のアプリケーション事業)、デジタル・マーケティング運用支援事業(従来のコンサルティング事業)、その他(従来のオーダーメイド開発事業)、EC事業に変更する。

 収益面では下期の構成比が高い特性がある。またクラウドサービスが拡大してストック型構造の特性を強めている。なお経営資源を競争力の高いアプリケーション事業に経営資源を集中する方針のもと、オーダーメイド開発事業は新規受注を積極的に展開せず、既存の利益率の高い案件のみを継続している。EC事業はアプリケーション事業の製品開発を強化するため、ECのマーケティングノウハウを吸収することを目的として、18年9月にベビー服ECサイトを事業買収した。

■クラウドサービスやM&Aで中期成長目指す

 中期経営計画(21年3月期~23年3月期)の目標値は、21年5月11日に上方修正して、22年3月期売上高31億50百万円、EBITDA8億50百万円、23年3月期売上高38億円、EBITDA11億円とした。なお23年3月期からIFRS(国際会計基準)適用予定である。

 20年10月にCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)をクラウドサービスで提供するコネクティをグループ化し、デジタル化需要の拡大でクラウドサービスが想定以上に伸長しているため、初年度の21年3月期が計画に対して上振れた。このため2年度目以降の計画を上方修正した。

 顧客のマーケティング活動に対する横断的なソリューションの提供を目指し、M&Aを積極活用して、クラウドサービスを中心とする既存事業の飛躍的成長、グループシナジーの創出、財務戦略の最適化などを推進する。

 なお19年11月には、インタートレード<3747>の子会社で暗号資産関連事業を展開するデジタルアセットマーケッツに出資している。また20年5月には、日本成長投資アライアンス(J―GJA)と業務提携し、J-GIA1号投資事業有限責任組合に対して第7回新株予約権を発行している。

■22年3月期大幅増収増益・連続増配予想

 21年3月期の連結業績(第3四半期からCONNECTY HOLDINGを新規連結)は、売上高が20年3月期比25.6%増の23億56百万円、EBITDAが10.9%増の5億65百万円、営業利益が11.0%減の4億11百万円、経常利益が9.6%減の4億25百万円、親会社株主帰属当期純利益が30.6%減の2億22百万円だった。配当は2円増配の25円(期末一括)とした。

 コネクティの新規連結(6ヶ月分の売上高3億57百万円計上)やクラウドサービスの伸長で大幅増収となり、増収効果で人件費や仕入・外注加工費などの増加を吸収してEBITDAが2桁増益だった。営業利益、経常利益、当期純利益はソフトウェア資産償却費、のれん償却費、株式報酬費用の増加、子会社ままちゅの株式減損損失計上などで減益だった。なお営業利益は償却費関連増加の影響を除くと12.1%増の5億18百万円だった。

 アプリケーション事業は16.8%増収だった。クラウドサービスが18.4%増収と大幅伸長した。ライセンスも期末に駆け込み需要が発生して11.4%増収と順調だった。コンサルティング事業は75.8%増収だった。コネクティの新規連結でサイト制作などが伸長した。オーダーメイド事業は58.0%減収だった。EC事業は21.3%増収だが計画未達となり、コロナ禍による商材仕入遅れなども影響して赤字継続した。

 22年3月期連結業績予想は、売上高が21年3月期比33.7%増の31億50百万円、EBITDAが50.3%増の8億50百万円、営業利益が45.8%増の6億円、経常利益が41.1%増の6億円、親会社株主帰属当期純利益が52.3%増の3億39百万円としている。配当予想は5円増配の30円(期末一括)とした。連続増配である。

 セグメント区分をエンタープライズ・ソフトウェア事業、デジタル・マーケティング運用支援事業、その他、EC事業に変更する。コネクティの通期連結(21年3月期は6ヶ月分)やクラウドサービスの成長(25%増収の計画)で大幅増収増益予想としている。収益拡大基調を期待したい。

■株主優待制度は3月末と9月末の2単元以上保有株主対象

 株主優待制度は、毎年3月31日および9月30日時点の2単元(200株)以上保有株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて株主優待ポイントを進呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は上値試す

 株価は急伸してモミ合いから上放れの形となった。そして20年10月の高値に接近している。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。5月21日の終値は2329円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS85円34銭で算出)は約27倍、今期予想配当利回り(会社予想の30円で算出)は約1.3%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS438円87銭で算出)は約5.3倍、時価総額は約103億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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