GMOグローバルサイン・ホールディングスは売られ過ぎ感、中期成長期待

 GMOグローバルサイン・ホールディングス<3788>(東1)は、電子認証サービスおよびサーバー貸出・管理サービスを主力として、電子印鑑やAI・IoTなど新規サービスの収益化も推進している。21年12月期第1四半期は一時的要因や先行投資で減益だった。通期も先行投資で減益予想としているが、第1四半期の進捗率が順調であり、通期予想に上振れ余地がありそうだ。中期成長も期待したい。株価は軟調展開だが売られ過ぎ感を強めている。調整一巡して反発を期待したい。

■クラウド・ホスティング事業とセキュリティ事業が主力

 GMOインターネット<9449>の連結子会社で、旧GMOクラウドが20年9月1日付でGMOグローバルサイン・ホールディングスに社名変更した。

 電子認証サービス(連結子会社GMOグローバルサインのSSLサーバー証明書発行サービスなど)のセキュリティ事業、サーバー貸出・管理サービスのクラウド・ホスティング事業を主力として、電子印鑑GMOサイン(GMO電子印鑑Agreeのサービス名称を21年2月に変更)や、AI・IoT関連など新規サービスと位置付けるソリューション事業も展開している。社名変更に伴ってグローバルなブランド認知度向上、日本NO.1のトラストサービスを軸とした事業拡大を推進している。

 セキュリティ事業では、SSLサーバー証明書の国内市場シェアが、19年6月に50%を突破した。20年1月には、クラウド型電子署名ソリューションDigital Signing Suiteの月間署名数が、グローバルで100万件を突破した。

 クラウド・ホスティング事業では、既存ホスティングサービスの統廃合でコスト削減を推進するとともに、19年4月開始したマネージドクラウドサービスCloudCREWが急拡大している。なお4月19日にはGMOグローバルサインがブラジルの4BS社を子会社化(持分譲渡実行日4月30日予定)すると発表した。

 20年12月期セグメント別売上構成比(調整前)は、セキュリティ事業50%、クラウド・ホスティング事業42%、ソリューション事業9%、経常利益構成比(調整前)はセキュリティ事業73%、クラウド・ホスティング事業50%、ソリューション事業▲23%だった。

 なお21年12月期からセグメント区分を変更して、電子認証・印鑑事業(ソリューション事業に含まれていた電子印鑑GMOサインを従来のセキュリティ事業に移管)、クラウドインフラ事業(従来のクラウド・ホスティング事業)、DX事業(従来のソリューション事業)としている。

■電子印鑑・契約など新規サービスの収益化推進

 ソリューション事業では、電子印鑑GMOサイン、WebソリューションO2O、オンラインゲーム開発エンジンPhoton、自動車向けAI・IoTソリューションのLINKDriveシステムを活用したコネクテッドカー事業など、新規サービスの収益化を推進している。

 電子印鑑GMOサインは、当事者署名型、立会人型(事業者署名型)の両方に対応している。また20年12月には「契約印&実印プラン」として一本化し、価格も引き下げて電子契約の更なる利用・普及を促進している。テレワークや「脱はんこ」の動きが広がっていることを背景に、導入企業数は20年12月末時点で14万社を突破して14万48社となり、国内電子契約サービスにおける導入企業数NO.1となった。

 今後はGMOインターネットグループの顧客基盤も活用して電子印鑑市場の席巻を狙う方針だ。21年3月には電子印鑑GMOサインが、新潟県三条市に採用・導入されることが決定したと発表している。自治体による初の導入となる。さらに4月1日には三重県桑名市と、4月27日には鳥取県米子市と電子印鑑GMOサインを活用した実証実験開始で合意したと発表している。

 AI・IoT関連では20年6月、メーター点検業務をAIで効率化するサービスがKDDIの検診オプションに採用された。

 なおコネクテッドカー事業については、20年1月にGMOモビリティクラウドとして分社化して双日<2768>との合弁会社としていたが、4月19日に合弁を解消して完全子会社化(株式取得日4月30日予定)し、さらに吸収合併(7月1日予定)すると発表した。

■21年12月期は先行投資負担で減益予想だが中期成長期待

 21年12月期連結業績予想は、売上高が20年12月期比6.7%増の142億29百万円、営業利益が25.7%減の10億08百万円、経常利益が24.7%減の10億50百万円、親会社株主帰属当期純利益が33.8%減の7億75百万円としている。配当予想は17円17銭減配の33円64銭(期末一括)である。

 第1四半期は、売上高が前年同期比0.8%減の34億17百万円で、営業利益が25.9%減の3億08百万円、経常利益が40.4%減の2億93百万円、四半期純利益が36.2%減の2億29百万円だった。電子認証・印鑑事業のSSL有効期限短縮による一時的な単価下落、電子契約サービス「電子印鑑GMOサイン」への投資拡大の影響で減益だった。

 セグメント別(21年12月期からセグメント区分変更)に見ると、電子認証・印鑑事業は一時的単価下落と先行投資で1.0%減収、45.5%減益だった。クラウドインフラ事業は従来のホスティングサービスの減少で0.2%減収だが、クラウドサービスの伸長やコスト最適化などで15.9%増益だった。新規事業が中心のDX事業は3.6%増収で赤字縮小した。

 通期予想は据え置いた。電子認証事業を中心としたトラストサービスを柱として、電子印鑑GMOサインなど成長分野の新規サービス収益化に向けた施策に取り組むため、先行投資負担で減益予想としている。

 ただし第1四半期の進捗率は売上高が24.0%、営業利益が30.6%、経常利益が27.9%、当期純利益が29.5%と順調である。通期予想に上振れ余地がありそうだ。さらにDXの流れを背景に中期成長も期待したい。

■株主優待制度は毎年12月末時点で6ヶ月以上保有株主対象

 株主優待制度は毎年12月31日時点で、1単元(100)株以上・6ヶ月以上保有株主を対象として実施(詳細は会社HP参照)している。

■株価は売られ過ぎ感

 株価は軟調展開だが売られ過ぎ感を強めている。調整一巡して反発を期待したい。5月25日の終値は5170円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS67円28銭で算出)は約77倍、今期予想配当利回り(会社予想の33円64銭で算出)は約0.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS607円31銭で算出)は約9倍、時価総額は約605億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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