アルコニックスは戻り試す、22年3月期も経常増益予想

(決算速報)
 アルコニックス<3036>(東1)は5月25日の取引時間中に21年3月期連結業績を発表した。新型コロナ影響を受けたが、需要が回復基調となり、一過性損失の一巡も寄与して経常増益だった。22年3月期(収益認識に関する企業会計基準第29号適用のため増減率非掲載だが利益に影響なし)も経常増益予想としている。収益拡大を期待したい。株価は決算発表に対してネガティブ反応となったが、目先的な売りが一巡して戻りを試す展開を期待したい。

■21年3月期は経常増益、22年3月期も経常増益予想

 21年3月期の連結業績(4月27日に売上高、利益とも上方修正)は、売上高が20年3月期比7.4%減の2149億87百万円、営業利益が8.6%増の56億21百万円、経常利益が5.6%増の57億18百万円、親会社株主帰属当期純利益が20.9%減の28億60百万円だった。配当は20年3月期と同額の42円(第2四半期末21円、期末21円)とした。

 期前半は新型コロナウイルスの影響で需要が急減したが、期後半に向けて自動車関連の需要が回復基調となった。一過性損失の一巡も寄与して従来の営業・経常減益予想から一転して営業・経常増益で着地した。経常利益は商社流通が2.9倍増益(電子機能材がレアメタル棚卸資産評価損解消して21.2倍増益、アルミ銅が23.6%減益)、製造が24.5%減益(装置材料が17.3%減益、金属加工が25.1%減益)だった。

 四半期別の経常利益は、第1四半期が12億43百万円、第2四半期が12億52百万円、第3四半期が16億47百万円、第4四半期が15億76百万円だった。

 22年3月期連結業績予想(収益認識に関する企業会計基準第29号適用のため増減率非掲載だが利益に影響なし)は、売上高が1200億円、営業利益が64億円、経常利益が64億円、親会社株主帰属当期純利益が45億円としている。配当予想は21年3月期と同額の42円(第2四半期末21円、期末21円)である。

 需要が回復基調であり、実質的に営業利益が13.8%増益、経常利益が11.9%増益、当期純利益が57.3%増益の見込みとしている。なお経常利益の計画は商社流通が34.5%増益(電子機能材が23.6%増益、アルミ銅が69.7%増益)、製造が2.7%減益(装置材料が20.0%増益、金属加工が5.0%減益)としている。収益拡大を期待したい。

■株価は戻り試す

 株価は決算発表に対してネガティブ反応となったが、目先的な売りが一巡して戻りを試す展開を期待したい。5月26日の終値は1524円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS175円48銭で算出)は約9倍、時価総額は約395億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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