アイフリークモバイルは下値切り上げ、22年3月期営業黒字化予想

 アイフリークモバイル<3845>(JQ)は、電子絵本アプリや知育アプリなどのコンテンツ事業およびコンテンツクリエイターサービス事業を展開し、中期成長に向けてユーザー数拡大やデジタルコンテンツ資産有効活用を推進している。21年3月期営業赤字幅が縮小した。22年3月期は営業黒字化予想としている。収益改善を期待したい。株価はモミ合い展開だが徐々に下値を切り上げている。上放れを期待したい。

■コンテンツ事業とコンテンツクリエイターサービス事業を展開

 携帯電話・スマートフォン向けコンテンツ企画・開発・配信のコンテンツ事業、WEBコンテンツ制作・システム受託開発および人材派遣のコンテンツクリエイターサービス事業を展開している。

 21年3月期の売上高構成比はコンテンツ事業9%、コンテンツクリエイターサービス事業91%、営業利益構成比(調整前)はコンテンツ事業59%、コンテンツクリエイターサービス事業41%だった。

 コンテンツ事業は、デジタル素材「デココレ」を主力として、電子絵本アプリや知育アプリ「あそびタッチ」などの親子向けサービス、オリジナル絵文字やグループチャットを搭載したウォレットアプリ「Challet」も展開している。

 デジタルコンテンツの確保にあたっては、クリエイター支援のWEBサイト「CREPOS」によって外部クリエイターを組織化している。20年9月には「CREPOS」をリニューアルした。

 20年1月にはソフトウェア開発のリアリゼーションを子会社化、ソフトウェア開発のリアルタイムメディア(20年3月にアイフリークスマイルズに吸収合併)を子会社化して同社の子会社ファンレボを孫会社化した。21年1月には孫会社ファンレボの全株式を譲渡、21年2月にはコンテンツクリエイターサービス事業の子会社アイフリークGAMESを吸収合併した。また21年6月には子会社のリアリゼーションを吸収合併予定である。

■ユーザー数拡大とデジタルコンテンツ資産の有効活用を推進

 中期成長戦略として、コンテンツ事業におけるユーザー数の拡大、デジタルコンテンツ資産の有効活用、コンテンツクリエイターサービス事業における人材確保とサポート体制充実などを推進している。またM&Aも積極活用する方針だ。

 20年9月にはミャンマーの新興通信事業者GALAXIA社と、ミャンマーにおけるモバイルコンテンツサービス分野およびシステムインテグレーション分野で業務提携した。20年10月にはRPA導入コンサルティングサービスのITSO社と業務提携、20年11月にはITエンジニア育成EdTechサービスのヒートウェーブと業務提携、20年12月にはAI CROSS社とセールスパートナー契約を締結した。

■21年3月期は営業赤字縮小、22年3月期は営業黒字化予想

 21年3月期の連結業績は、売上高が20年3月期比85.5%増の30億90百万円、営業利益が1億51百万円の赤字(20年3月期は2億35百万円の赤字)、経常利益が13百万円の黒字(同2億09百万円の赤字)、親会社株主帰属当期純利益が73百万円の赤字(同2億14百万円の赤字)だった。

 新型コロナウイルスの影響や孫会社だったファンレボの連結除外で売上高が従来予想を下回り、営業利益は従来の黒字化予想から一転して赤字で着地した。ただし前期比では赤字幅が縮小した。なお営業外収益に助成金収入1億26百万円を計上して経常利益は黒字化、特別損失にのれん減損損失79百万円などを計上して当期純利益は赤字だった。

 コンテンツ事業は1.5%減収だが業務効率化で45.9%増益だった。コンテンツクリエイターサービス事業はコスト削減のための組織再編を実施し、2.0倍増収で黒字転換した。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が5億71百万円で営業利益1億22百万円の赤字、第2四半期は売上高10億24百万円で営業利益7百万円の黒字、第3四半期は売上高7億80百万円で営業利益22百万円の赤字、第4四半期は売上高が7億15百万円で営業利益14百万円の赤字だった。

 22年3月期連結業績予想は、売上高が21年3月期比5.4%減の29億24百万円、営業利益が1億16百万円の黒字(21年3月期は1億51百万円の赤字)、経常利益が1億64百万円の黒字(同13百万円の黒字)、親会社株主帰属当期純利益が1億14百万円の黒字(同73百万円の赤字)としている。なお資本金および資本準備金の額を減少して資本剰余金に振り替える。科目間の振替処理のため純資産の額に変更はない。

 コンテンツ事業では親子向け教育・知育コンテンツの改修と機能拡充、コンテンツクリエイターサービス事業は収益性と成長性の確保に向けた協業先の開拓や新規事業の推進を強化する方針だ。収益改善を期待したい。

■株価は下値切り上げ

 株価は上値が重くモミ合い展開だが、徐々に下値を切り上げている。上放れを期待したい。5月28日の終値は161円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS6円52銭で算出)は約25倍、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS24円08銭で算出)は約6.7倍、時価総額は約28億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■グローバルモデルに匹敵する日本語対応の高性能生成AIを4月から順次提供  ELYZAとKDDI<…
  2. ■優勝への軌跡と名将の言葉  学研ホールディングス<9470>(東証プライム)は3月14日、阪神タ…
  3. ■新たな映画プロジェクトを発表  任天堂は3月10日、イルミネーション(本社:米国カリフォルニア州…
2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■金先物と原油価格、史上最高値に迫る―地政学リスクが市場に与える影響  今週のコラムは、異例中の異…
  2. ■「虎」と「狼」の挟撃を振り切り地政学リスク関連株で「ピンチはチャンス」に再度トライ  東京市場は…
  3. ■海運株と防衛関連株、原油価格の動向に注目集まる  地政学リスクによる市場の不安定さが増す中、安全…
  4. ■中東緊張と市場動向:投資家の選択は?  「遠い戦争は買い」とするのが、投資セオリーとされてきた。…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る