【編集長の視点】マクニカ富士は年初来高値を指呼の間、4期ぶり最高純益更新を手掛かりに割安株買いが増勢

 マクニカ・富士エレホールディングス<3132>(東1)は、前日1日に1円高の2427円と小幅ながら3営業日続伸して引け、5月31日の取引時間中につけた年初来高値2460円を指呼の間とした。今2022年3月期の予想純利益が、続伸して4期ぶりに過去最高を更新することを手掛かりに割安株買いが増勢となった。テクニカル的にも、2015年4月の提携統合後の上場来高値3325円(2018年2月)からその後の安値1149円(2020年3月)までの調整幅の半値戻しをクリアしており、相場アノマリー通りに「半値戻しは全値戻し」の期待を高めている。

■半導体製造装置、自動車電動化向けなどが続伸し市場コンセンサスを上回る

 同社の今2022年3月期業績は、売り上げ6300億円(前期比13.7%増)、営業利益210億円(同11.9%増)、経常利益200億円(同22.0%増)、純利益130億円(同19.5%増)と連続の増収増益を予想し、純利益は2018年3月期の過去最高(114億1200万円)を4期ぶりに更新するとともに、市場コンセンサスも約2億円上回る。

 集積回路及び電子デバイス事業では、産業機器の半導体製造装置やFA装置、5G、データセンター、自動車の電動化向けなどの需要が続伸し、ネットワーク事業では、セキュリティ関連製品やネットワーク関連商品、クラウド関連商品などが順調に推移することなどが寄与する。配当は、年間60円(前期実績50円)に増配を予定している。

■上場来高値からの調整幅の半値戻しを達成し全値戻しを目指す

 株価は、昨年11月の前期通期業績の上方修正で2145円まで270円高し、前期第3四半期の好業績でも2378円と上値を追い、今年4月30日の前期業績の2回目の上方修正に今期業績の連続増益予想が続いて年初来高値2460円まで買い進まれた。足元では同高値水準で上昇スピードをやや落としたが、PERは11倍台、PBRは1.06倍と割安である。上場来高値3325円からその後の安値1149円への調整幅の半値戻しを達成したここからは、相場アノマリー通りに「全値戻し」を目指すが、当面の上値目標としては3分の2戻しの2600円台回復が意識されよう。(情報提供:日本インタビュ新聞編集長・浅妻昭治)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■グローバルモデルに匹敵する日本語対応の高性能生成AIを4月から順次提供  ELYZAとKDDI<…
  2. ■優勝への軌跡と名将の言葉  学研ホールディングス<9470>(東証プライム)は3月14日、阪神タ…
  3. ■新たな映画プロジェクトを発表  任天堂は3月10日、イルミネーション(本社:米国カリフォルニア州…
2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■金先物と原油価格、史上最高値に迫る―地政学リスクが市場に与える影響  今週のコラムは、異例中の異…
  2. ■「虎」と「狼」の挟撃を振り切り地政学リスク関連株で「ピンチはチャンス」に再度トライ  東京市場は…
  3. ■海運株と防衛関連株、原油価格の動向に注目集まる  地政学リスクによる市場の不安定さが増す中、安全…
  4. ■中東緊張と市場動向:投資家の選択は?  「遠い戦争は買い」とするのが、投資セオリーとされてきた。…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る