クラボウはセメント系材料を用いた建設用3Dプリンティング事業を開始
- 2021/6/2 12:29
- プレスリリース
■建設業界の生産性向上やデザインの多様化ニーズへ対応
クラボウ<3106>(東1)の化成品事業部は、建設用3Dプリンティング設備を寝屋川工場(大阪府寝屋川市)に導入し、セメント系材料を用いた小型~中型の立体造形物の受注生産を開始する。3Dプリンターの特長である短時間での成形と意匠性の高さを生かして、商品開発における試作サイクルの短縮化を支援するほか、外構材や景観材をはじめとする幅広い造形物を製作し提供することで、建設業界の生産性向上やデザインの多様化ニーズに応えていく。(写真=3Dプリンターで製作した外構材「門塀」)
同社は、従来よりセメント系材料を使用した住宅外装化粧材や外構材の開発・販売を行っており、その分野で培った材料配合や押出成形の技術を3Dプリンターで活用すべく、新規事業の検討を行ってきた。その結果、欧州で多くの建設用3Dプリンティング案件の製作実績を持つフランスのスタートアップ企業XtreeE(エクストリー)社製の3Dプリンターを導入し、材料選定や3D-CADの設計技術等の習得を経て、3Dプリンターによる造形物の受注・製作体制を構築した。
■建設用3Dプリンティングの特長
建設用3Dプリンターは、3D-CADデータを基に立体物を自動で製作する成形機。ロボットアームに取り付けたノズルからセメント系材料のモルタルを吐出して積層することで、立体的な造形物を短時間で成形することができる。通常の成形方法のような型枠を使用しないため、複雑な形状や精緻なデザインも表現できるうえ、型枠の製作・管理コストの削減にも繋がる。
同社が導入した3Dプリンターは、小型~中型の造形物の製作に対応しており、最大で2500mmまでの大きさの成形が可能。成形時間も短く、小型の1500mm(幅)×200mm(奥行き)×300mm(高さ)のモニュメントであれば約30分で成形できる。6mmの最小積層ピッチ(1層あたりの厚み)でプリントできるため、高精度な立体造形が可能。
3Dプリンティング技術は、モルタルを高く積層しても形状が崩れない材料配合と図面設計の組み合わせがポイントとなる。同社が建材メーカーとして培ってきた材料配合のノウハウを生かすことで高精度にモルタルを積層でき、曲線や流線形、中空など3Dプリンティングならではのデザイン表現が可能。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)