■国土交通省が保有・運用する飛行検査機でフライト
ユーグレナ<2931>(東1)は、国土交通省航空局が保有し運用する飛行検査機「サイテーションCJ4」において、ユーグレナ社製造のバイオジェット燃料を世界で初めて使用したフライト・飛行検査業務を実施したと発表。政府機関の航空機で国産のバイオジェット燃料が使用されるのは日本で初めてとなる。
【サイテーションCJ4】=全国の空港等で運用される航空保安施設等が正常に機能しているかなどを、飛行して検査を行うために特殊な装備を施した航空機であり、国土交通省航空局では5機のCJ4型機と1機のDHC8型機を保有し運用している。
国土交通省が2050年カーボンニュートラルの実現に向けて様々な活動を推進する中、世界環境デーを前にユーグレナ社として、取組加速の一助になりたいとの考えから同社製造のバイオジェット燃料を提供し、今般飛行検査機への活用に至った。
同フライトでは、バイオジェット・ディーゼル燃料製造実証プラントのBICプロセスにて製造し、外部検査機関によるASTM D7566 Annex6規格への適合検査に合格したバイオジェット燃料を、既存石油系ジェット燃料と混合した上で使用した。同バイオジェット燃料の原料には、使用済み食用油と微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ、「ユーグレナ」)由来の油脂等を使用している。バイオジェット燃料を給油した飛行検査機は、2時間30分程度飛行して飛行検査業務実施後、中部国際空港に着陸した。なお、同件は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業。
なお、今回の取り組みについて、赤羽一嘉国土交通大臣がバイオジェット燃料の給油等を視察した。赤羽国土交通大臣からは、バイオジェット燃料の普及促進について、「カーボンニュートラルが我が国最大の国際公約である中、運輸セクターとしても、CO2排出削減は一番大きなテーマ。その観点から、今日、航空機におけるバイオ燃料の使用が実施されたのは良いこと。(バイオジェット燃料の)製造については、航空各社がやるというより、なるべく大きな塊とするのがよいと思う。今後も重要な位置づけとして取り組みたい。」とコメントした。
ユーグレナ社は、2018年10月末、日本初のバイオ燃料製造実証プラントの竣工を機に、「日本をバイオ燃料先進国にする」ことを目指す『GREEN OIL JAPAN(グリーンオイルジャパン)』を宣言し、陸海空における移動体にバイオ燃料を導入することを目標として掲げてきた。2020年3月には、バイオディーゼル燃料が完成、供給を開始し、バス、配送車、フェリー、タグボートなどでバイオ燃料の導入が拡大している。2021年3月にバイオジェット燃料が完成し、今回遂に初フライトの実現に至った。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)