【株式特集】MSCI指数の除外29銘柄の揺り戻しに期待、リベンジ投資に注目

 今週の当株式特集では、「短期は需給」で早めに下方方向に織り込んだとみられるMSCI指数の除外29銘柄の揺り戻しに期待してリベンジ投資に注目することにした。29銘柄の多くは、除外発表の5月12日に反落したが、前週末4日の終値と5月11日終値を比較すると、値上がり銘柄が13銘柄、値下がり銘柄が16銘柄の「13勝16敗」となった。勝ち組銘柄の代表は、20%超上昇した西武ホールディングス<9024>(東1)で、負け組ではしまむら<8227>(東1)、アルフレッサ ホールディングス<2784>(東1)が逆に年初来安値を更新した。

 今回と同様に大量除外銘柄が出た2020年11月のMSCI指数定期見直しで除外されたパーク24<4666>(東1)や住友ゴム工業<5110>(東1)などの株価が、前週末4日に年初来高値を更新、除外発表前日の終値から約7カ月で2倍化、50%超高しており、この再現のリベンジ高を期待したいところである。

■負け組6銘柄は業績続伸予想も低PERでPBR1倍割れ

 MSCI指数除外の負け組16銘柄のうち、PERが東証1部全銘柄平均の16.37倍を下回る売られ過ぎ銘柄は6銘柄を数えコード番号順に列挙すると次の通りとなる。帝人<3401>(東1)、クラレ<3405>(東1)、エア・ウォーター<4088>(東1)、しまむら、九州電力<9508>(東1)、サンドラッグ<9989>(東1)と続き、このうち帝人、クラレ、しまむら、九州電力がいずれもPER1倍を割っている。

 このうちクラレは、今12月期第2四半期業績を上方修正したほか、帝人は今期純利益の大幅黒字転換を予想、残り4社も今期業績が続伸予想にあり、九州電力は、前期業績が上ぶれ着地し、今期も続伸予想で配当を増配予定である。しまむらは、5月の既存店売上高が、前日より増収率を縮めたとして年初来安値へ売られたが、今2月期業績は続伸を予想しており、売られ過ぎを示唆している。

■勝ち組16銘柄は自動車関連、アフター・コロナ関連など人気化材料

 前週末4日の終値が発表日前日の終値を上回った勝ち組13銘柄のうち、上昇率が20%超となった西武HDの今3月期業績はなお赤字予想にあるが、赤字幅は縮小して投資セオリーの「水準より変化率」とも評価され配当は復配予定で、5月19日にリニューアル・オープンした西武園ゆうえんちの昭和の商店街が人気となってアフター・コロナ株人気を高めた。同様のアフター・コロナ株人気で丸井グループ<8252>(東1)、京浜急行電鉄<9006>(東1)、JR九州<9142>(東1)、日本空港ビルデング<9706>(東1)なども追随高が有力である。

 勝ち組でなおかつ低PER評価にとどまる銘柄は、上値チャレンジの展開が有望となる。自動車関連の日本特殊陶業<5334>(東1)、豊田合成<7282>(東1)にはトヨタ人気の波及が予想され、東急不動産ホールディングス<3289>(東1)とイオンモール<8905>(東1)は、アフター・コロナ人気が期待され、新生銀行<8303>(東1)、ふくおかフィナンシャルグループ<8354>(東1)の銀行株は、長期金利の動向次第で今年3月の年初来高値が意識されよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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