【銘柄診断】恵和は上値試す、21年12月期大幅増益予想
- 2021/6/9 13:55
- 銘柄診断
恵和<4251>(東1)は光学シート事業と機能製品事業を展開している。21年12月期は光学シート事業が牽引して大幅増益予想としている。第1四半期が大幅増益と順調であり、通期ベースでも収益拡大基調を期待したい。株価は急伸して上場来高値を更新した。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。
■光学シート事業と機能製品事業
光学シート事業(液晶ディスプレイのバックライトユニットに使用される特殊光学シートの光拡散フィルム、高機能光学フィルム、複合拡散板)と、機能製品事業(防湿性・耐熱性・耐久性等の特定機能を付加した産業用包装資材、工程紙、農業資材、クリーンエネルギー資材、インフラ関連資材)を展開している。20年12月期の売上構成比は光学シート事業66%、機能製品事業34%だった。
光学シート事業では直下型ディスプレイ部材としての複合拡散板、機能製品事業では次世代エコカー電池用部材としてのクリーンエネルギー資材、コンクリート保護シートなど拡販を強化している。
20年12月には、クリーンエネルギー資材分野の高機能フィルムが、トヨタ自動車<7203>の燃料電池自動車「MIRAI」の燃料電池関連部材として採用された。21年2月には生産集約に伴う工場移転統廃合を発表した。SAFC K-Site(旧九州工場)での生産品目を滋賀AFセンターに移管(21年10月末予定)する。
■21年12月期大幅増益予想で1Q順調
21年12月期の連結業績予想は、売上高が20年12月期比0.9%増の148億74百万円、営業利益が22.0%増の13億44百万円、経常利益が30.3%増の12億98百万円、親会社株主帰属当期純利益が34.3%増の9億94百万円としている。
光学シート事業は18.0%増収で15.4%増益の計画である。ノートPC・タブレット関連の需要が好調に推移し、高精細需要に応える直下型mini LED液晶の採用拡大に伴って複合拡散板が大幅に伸長する見込みだ。
機能製品事業は32.6%減収で11.4%減益の計画としている。新型コロナ影響で既存分野の受注が減少するが、利益の少ない品目の整理、工場移転統廃合による生産体制合理化など、事業再構築に取り組む方針としている。
第1四半期は、売上高が前年同期比6.0%増の37億60百万円で、営業利益が33.3%増の3億25百万円、経常利益が76.2%増の4億62百万円、四半期純利益が28.1%増の3億33百万円だった。
テレワーク需要などを背景として光学シート事業が12.7%増収・21.1%増益と牽引した。機能製品事業は5.6%減収だが製品ミックス改善などで3.9倍増益だった。
第1四半期の進捗率は売上高25.3%、営業利益24.2%と順調である。通期ベースでも収益拡大基調を期待したい。
■株価は上値試す
株価(20年12月17日付で東証2部から東証1部に指定替え)は急伸して上場来高値を更新した。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。6月8日の終値は2992円、時価総額は約264億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)