【株式市場の話題株】財務大臣、日本郵政の期待に見事応える!?

■自社株買いに「応じることを期待」され、結果は満額対応に

 日本郵政<6178>(東1)は6月11日午前、同日朝8時45分に東証の「ToSTNeT-3」(自己株式立会外買付取引)に委託して実施した自己株式の取得(自社株買い)の取得結果を発表し、取得上限株数276,090,500株(自己株式を除く発行済株式総数の6.83%)と同数の276,090,500株を取得した。株価は938.3円(32.8円高)と出直りを強めている。

 この自社株買いは6月10日の夕方に発表していたが、注釈の項で、「当社の支配株主である財務大臣が、本自己株式取得に応じる意向を有しているか、確認できておりませんが、(中略)郵政民営化法の趣旨等から、財務大臣が本自己株式取得に応じるものと期待しております」と付則した。

 このため、株式市場関係者の中からは、「麻生さんが難色を示しているのかもしれない」といった見方が出ていた。

 今回の自社株買いの主目的は、「中期経営計画『JPビジョン2025』における資本戦略に基づき、資本効率の向上、株主還元の強化を目的として実施」することだった。そして、結果的に日本郵政は取得上限株数を「満額取得」した。

 日本郵政の一般株主にとっては、実質的な株式価値が発行株数に対する割合の分だけ高まる上、過去、政府が民営化株を売却する際には「経営の自由度が高まる」などの理由で株価も上がるケースが少なくなかったため、今回も期待は小さくないようだ。市場関係者の中には、「麻生さんは太っ腹だから、ついでに日経平均も日銀に代わって3万円台まで買い進めてほしい」といった期待も出ている。(HC)(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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