【特集】「木材・林業関連株」に注目!はずせない森林管理法・バイオマス発電関連株

 今週の当特集では「木材関連株」に注目することとした。木材関連株は、コロナ不況からの景気回復、住宅建設の増加による木材不足で米国のシカゴ市場で、木材先物価格が急騰し、これによる「ウッド・ショック」が逆に関連株の株価を急騰させた。

 代表株は、建材の卸・小売りを主力とする住宅関連の総合商社・山大<7426>(JQS)である。6月5日に「木材高騰、マイホーム高騰」と報道されたことでストップ高して1658円まで短期83%超高した。前週末11日は、1200円台まで急落して東証第2部の値下がり率ランキングの第2位と悪役を演じが、同社株は、今年4月にも住宅木材(集成平角)価格が、「13年半ぶりに高値」と報道されたことでストップ高し年初来高値1672円まで買われた実績がある。

 6月10日には日本経済新聞の商品欄で木材不足で国産割り箸まで値上げと報道されており、「二度あることは三度ある」か試す展開も想定される。木材関連株は幅広く、しかも小型株で出遅れ株が多いだけに、「ウッド・ショック」を裏読みしてチャレンジするのも一法となるかもしれない。

■低PER、低PBRの建材商社株、林業機械株は小型株妙味満載

 先行した山大は、PBRはなお0.39倍と割り負けているがPERは88倍台と割高である。これに対して同業他社の建材商社は、割り負け銘柄が多い。コード番号順に列挙するとジューテックホールディングス<3157>(東1)、OCHIホールディングス<3166>(東1)、キムラ<7461>(JQS)、ナイス<8089>(東1)、クワザワホールディングス<8104>(東1)、JKホールディングス<9896>(東1)となる。PERはキムラとJKHDが各7倍台と割安で、もっとも高いクワザワHDでも15倍台である。PBRはいずれも0.5倍~0.9倍と1倍を割っている。

 木材関連株人気は当然、林業関連株にも波及が想定される。林業機械株、製材・木工機械株が浮上し、やまびこ<6250>(東1)、オカダアイヨン<6294>(東1)、丸山製作所<6316>(東1)、キクカワエンタープライズ<6346>(東2)などが要注目となる。PER評価は、やまびこが8倍、オカダアイヨンが9倍、丸山製が13倍、キクカワエンターが16倍で、PBRは、全4銘柄とも0.4倍~0.8倍と1倍を割っている。

■森林管理法関連株、バイオマス発電関連株は林業の成長産業化にも貢献

 関連株は、さらに裾野拡大余地がある。2019年4月に施行された森林経営管理法では、森林資源の適正な管理と林業の成長産業化の両立が政策目標となっており、森林管理システム事業やコンサルティング事業を展開する日本アジアグループ<3751、JAG>(東1)とアジア航測<9233>(東2)が関連する。JAGは、TOB(株式公開買い付け)撤回問題への対応も焦点化している。

 森林活性化につながる地産地消エネルギーのバイオマス発電関連株も外せない。エフオン<9514>(東1)、イーレックス<9517>(9517>(東1)、レノバ<9519>(東1)の専業3社のほか、兼業組のミツウロコグループホールディングス<8131>(東1)、スパークス・グループ<8739>(JQS)などが、注目されることになるはずだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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