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立花エレテックは下値固め完了感、22年3月期営業・経常増益予想
- 2021/6/16 08:38
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
立花エレテック<8159>(東1)は産業用機器・電子部品などを扱う技術商社である。技術商社の強みを活かして海外ビジネスの拡大、グループシナジーの追求、事業領域の拡大、営業力強化と体質改善を推進し、電機・電子の一大技術商社を目指している。22年3月期は設備投資需要の緩やかな回復を見込み増収、営業・経常増益予想としている。収益回復を期待したい。株価は年初来安値を更新して軟調展開だったが、売り一巡して下値固め完了感を強めている。出直りを期待したい。
■産業用機器・電子部品を扱う技術商社
産業用機器・電子部品などを扱う技術商社である。仕入先は三菱電機<6503>および三菱電機グループが合計で約7割を占め、外資系半導体メーカー、ルネサスエレクトロニクス<6723>などが続いている。また金属加工の製造受託(MMS)と電子機器の製造受託(EMS)を統合したMS(マニュファクチャリング・サービス)事業も展開している。海外は子会社8社合計14拠点で、中国および東南アジアに展開している。
技術商社の強みを活かして海外ビジネスの拡大、グループシナジーの追求、事業領域の拡大、営業力強化と体質改善を推進している。20年4月には八洲電機<3153>から八洲電子ソリューションズの株式を譲り受けて子会社化(立花電子ソリューションズに社名変更)した。
21年3月期の構成比は、売上高がFAシステム事業(FA機器、FAシステムソリューション、産業メカトロニクス、産業デバイスコンポーネント)55%、半導体デバイス事業(半導体、電子デバイス)34%、施設事業(空調機器、LED照明、太陽光発電システム、昇降機)10%、その他(MS事業・他)2%、営業利益がFAシステム事業72%、半導体デバイス事業22%、施設事業6%、その他▲0%だった。
収益面では全体として企業の設備投資動向が影響し、第2四半期および第4四半期の構成比が高くなる季節特性もある。
6ヶ年中長期経営計画「C.C.J2200」では、2021年の創立100周年を見据えて、確固たる基盤を持った電機・電子の一大技術商社を目指している。
■22年3月期は営業・経常増益予想
22年3月期の連結業績予想は、売上高が21年3月期比8.4%増の1750億円、営業利益が14.1%増の46億円、経常利益が9.4%増の48億円、親会社株主帰属当期純利益が4.5%減の33億円としている。配当予想は3円増配の40円(第2四半期末20円、期末20円)である。
新型コロナウイルスの影響の不透明感が強いが、設備投資需要の緩やかな回復を見込み増収、営業・経常増益予想としている。収益回復を期待したい。なお当期純利益は前年計上の特別利益(負ののれん発生益3億95百万円>が剥落するため減益予想としている。
■株主優待制度は毎年3月末の株主対象
株主優待制度は毎年3月末現在の100株(1単元)以上保有株主を対象として、継続保有期間および保有株式数に応じてクオカードを贈呈(詳細は会社HP参照)している。
■株価は下値固め完了感
株価は年初来安値を更新して軟調展開だったが、売り一巡して下値固め完了感を強めている。出直りを期待したい。6月15日の終値は1481円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS130円76銭で算出)は約11倍、今期予想配当利回り(会社予想の40円で算出)は約2.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2979円91銭で算出)は約0.5倍、時価総額は約385億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)