【アナリスト水田雅展の銘柄分析】インテリジェントウェイブは収益改善基調を評価、セキュリティ関連も注目

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

 インテリジェントウェイブ<4847>(JQS)は金融分野を中心にシステムソリューション事業を展開している。株価は5月下旬の400円近辺から6月2日高値650円まで急伸した。07年7月以来の高値水準だ。目先的には過熱感もあるが、15年6月期業績は増額含みであり、収益改善基調を評価して上値を試す展開だろう。サイバーセキュリティ関連も注目点だ。

 大日本印刷<7912>の連結子会社で、ソフトウェア開発を中心にソリューションを提供する金融システムソリューション事業、情報セキュリティ分野を中心に自社開発パッケージソフトウェアや保守サービスを提供するプロダクトソリューション事業を展開している。クレジットカード会社、ネット銀行、証券会社など金融関連のシステム開発受託・ハードウェア販売・保守サービスが収益柱だ。

 金融システムソリューション事業では、クレジットカード決済のフロント業務関連システムから、バックオフィス業務関連など基幹業務システム関連への事業領域拡大を目指している。またプロダクトソリューション事業では、サイバー攻撃や情報漏えいに対応したセキュリティ関連のソリューションを強化している。

 新規事業分野では大日本印刷との連携を強化して、自社開発コミュニケーションツール「Face(フェイス)コンシェル」の販売を強化している。口語解析技術を駆使したコンシェルジュ(画面上の人物画)が簡単な質問に自動応答するシステムだ。15年3月には新たに、損害保険ジャパン日本興亜のウェブサイトでバーチャルナビゲーションシステムとして採用された。

 またアライアンス戦略では14年2月、ジーフィー(GIFI)と個人投資家向け次世代オンライントレードシステム分野で業務提携した。

 15年2月にはCyberArk社(イスラエル)と国内販売代理店契約を締結した。世界65ヶ国以上、1750社以上で導入実績がある同社の特権アカウントセキュイリティソリューションを販売する。

 15年2月にはDevexperts Japan社と業務提携した。Devexperts社はトレーディングソフトウェア開発に優れたノウハウを持つ会社である。戦略的業務提携によって、これまで実績のある高速取引、リアルタイム市況情報分析のソリューションから、デリバティブシステムを中心とした金融業務執行系プラットフォーム開発へ業務範囲を拡大し、金融業務の幅広いニーズに対応したソリューションを提供するとしている。

 15年5月には、大日本印刷が米パロアルトネットワークスと販売代理店契約を締結したことに伴って、同社の標的型攻撃対策ソフトウェア「アドバンストエンドポイント プロテクションTraps」の販売を開始した。17年度までの3年間累計で約20億円の売上を目指すとしている。

 また6月1日には情報漏えい対策システムCWAT(シーワット)の最新版CWAT Version5.5の出荷を開始した。CWATはPCなど情報端末のファイル操作、メール送信、外部メディアへの書き込み、接続などを監視し、企業の情報を守る情報漏えい対策システムである。最新バージョンではオプション機能としてWindows Server監視機能を追加した。

 今期(15年6月期)の連結業績予想(1月28日に税金費用減少に伴って純利益を増額修正)は、売上高が前期比2.4%減の64億円、営業利益が同2.6倍の3億80百万円、経常利益が同2.2倍の4億円、そして純利益が同4.4倍の3億80百万円としている。不採算案件一巡などが寄与して大幅増益予想だ。配当予想(8月6日公表)については前期と同額の年間5円(期末一括)としている。予想配当性向は34.7%となる。

 第3四半期累計(7月~3月)は前年同期比14.6%減収だったが、利益は同5.4倍営業増益、同4.0倍経常増益、同14.4倍最終増益だった。金融システムソリューションでソフトウェア開発とハードウェアが大幅減収だったが、不採算プロジェクトの影響一巡、ソフトウェア開発よりも相対的に利益率が高い自社パッケージソフトの増収などで大幅増益だった。純利益については税金費用の減少も寄与した。

 四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(7月~9月)14億26百万円、第2四半期(10月~12月)14億18百万円、第3四半期(1月~3月)14億57百万円、営業利益は第1四半期94百万円、第2四半期89百万円、第3四半期99百万円だった。

 通期見通しに対する第3四半期累計の進捗率は売上高が67.2%、営業利益が74.5%、経常利益が73.3%、純利益が75.8%と概ね順調な水準である。第4四半期(4月~6月)も堅調であり、通期の営業利益は小幅に増額含みのようだ。

 クレジットカード・金融業界では、システム・ハードウェア更新投資、クレジットカード会社の資本関係変化に伴うシステム開発投資、不正検知を含むFEPシステム投資、ブランドプリペイドカードやモバイル端末決済など決済サービス多様化に対応したシステム投資、訪日外国人旅行客の増加に伴うコンビニエンスストアATMや海外カードに対応した新規投資などで、設備投資が高水準に推移する見通しだ。

 高水準の投資需要を背景としてクレジットカード・金融関連の開発案件受注増加が期待され、さらにサイバー攻撃対策や情報漏えい対策などセキュリティ関連の需要増加も期待される。中期的に収益拡大基調だろう。

 株価の動きを見ると、5月下旬の400円近辺から6月2日の高値650円まで急伸した。07年7月以来の高値水準だ。その後は利益確定売りで10日の521円まで反落したが、16日は630円まで上伸した。自律調整が一巡して再動意の構えだ。収益改善基調に加えて、サイバーセキュリティ関連も注目されたようだ。

 6月16日の終値607円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS14円43銭で算出)は42倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間5円で算出)は0.8%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS169円00銭で算出)は3.6倍近辺である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線がサポートラインとなり、週足チャートで見ても13週移動平均線近辺から切り返してサポートラインを確認した形だ。目先的には過熱感もあるが、15年6月期業績は増額含みであり、収益改善基調を評価して上値を試す展開だろう。サイバーセキュリティ関連も注目点だ。

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