キヤノンと日本IBMが芸術・芸能分野で協業を開始、ボリュメトリックビデオ技術を活用

■ボリュメトリックビデオ技術の活用により芸術・芸能の新たな価値を創出

 キヤノン<7751>(東1)と、日本アイ・ビー・エムは、芸術・芸能分野において、ボリュメトリックビデオ技術を活用した新たな価値の創出に向けて協業を開始した。

 ボリュメトリックビデオ技術は、空間全体を3Dデータ化する技術で、コンピューターの中に作り上げられたバーチャル空間内のあらゆるアングルから映像を生成できる。キヤノンでは、2019年のラグビー国際大会などのスポーツ分野での活用からはじまり、2020年7月には、キヤノンの川崎事業所内に「ボリュメトリックビデオスタジオ-川崎」を開設し、エンターテインメント分野にも活用の幅を広げている。

 今回の協業では、両社が持つ技術や製品、ネットワークを組み合わせ、芸術・芸能分野において、ボリュメトリックビデオ技術の活用とその幅広い可能性を知ってもらう機会を提供することで、芸術・芸能関連事業者や視聴者に向けて新たな価値の創出・拡大を目指していく。

 具体的には、キヤノンは、撮影とほぼ同時に高精細な映像を生成するボリュメトリックビデオ技術により、新たな映像制作手法や視聴体験の提供とともに、映像による貴重な芸術文化の伝承に寄与する。日本IBMは、芸術領域における知見と経験を生かし、芸術・芸能関連事業者に向けた戦略策定や実行支援などコンサルティング・サービスを提供し、芸術・芸能分野のデジタルトランスフォーメーションを推進する。また、並列計算専用サーバーと広帯域ストレージを組み合わせた高品質・高速かつ安全な映像データ処理・配信などの技術サポートを提供することで、ボリュメトリックビデオ技術を活用したサービス価値の向上に取り組む。

 同協業の第一弾として、公益社団法人 宝生会監修の能楽「葵上」のボリュメトリック映像を公開した。ディレクターを務められた宝生流お家元・宝生和英氏の思い描く、能楽堂の舞台と精神世界とを行き来するイメージを巧みに表現している。同映像の制作で、キヤノンは実在する能楽堂をスキャン計測した3DCGや、ダイナミックな背景CGアニメーションの制作に加え、能楽師のパフォーマンスを「ボリュメトリックビデオスタジオ-川崎」でキャプチャし、全体を統合する映像生成までをワンストップで行った。日本IBMは、先進の並列計算専用サーバー「IBM Power System AC922」と広帯域ストレージ「IBM Elastic Storage System」を組み合わせた高速インフラの構築や技術支援により、リアルタイムの映像描写に必要な応答性能を実現した。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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