【銘柄診断】テノ.ホールディングスは戻り試す、21年12月期利益横ばい予想だが上振れ余地

銘柄診断

 テノ.ホールディングス<7037>(東1)は子育て支援サービスを展開し、エリアや事業領域の拡大を推進している。21年12月期は利益横ばい予想としているが保守的だろう。採算性改善も寄与して上振れ余地がありそうだ。収益拡大を期待したい。株価は三角保ち合いの形だが煮詰まり感を強めている。上放れて戻りを試す展開を期待したい。

■「女性のライフステージを応援する」公的保育事業や受託保育事業を展開

 経営理念に「女性のライフステージを応援します」を掲げて、子育て支援サービス(保育所運営など)を展開する持株会社である。

 事業区分は、テノ.コーポレーションとオフィス・パレット(20年12月に子会社化、愛知県中心に保育所運営)が首都圏中心に展開する公的保育事業(認可保育所運営など)、テノ.サポートが九州中心に展開する受託保育事業(院内・事業所内保育所受託運営、学童保育所運営など)、その他(ベビーシッターサービス、ハウスサービス、テノスクール運営、介護デイサービスなど)としている。

 21年5月には新規事業として、テノ.サポートがIBJ<6071>の運営する日本結婚相談所連盟に加盟して結婚相談所事業を開始した。

 21年12月期第1四半期末時点の運営施設数は、公的保育事業が首都圏および関西・愛知に61施設、受託保育事業が九州を中心に211施設、その他が7施設、合計279施設となった。

■21年12月期利益横ばい予想だが上振れ余地

 21年12月期連結業績予想は、売上高が20年12月期比11.3%増の120億円、営業利益が1.3%増の6億20百万円、経常利益が0.0%増の5億94百万円、親会社株主帰属当期純利益が7.3%増の3億64百万円としている。

 第1四半期は、売上高が前年同期比12.5%増の29億65百万円、営業利益が16.2%増の2億20百万円、経常利益が26.2%増の2億36百万円、四半期純利益が24.7増の1億47百万円だった。過年度開設施設の充足率上昇やM&A効果などで大幅増収増益だった。

 公的保育事業は17.6%増収で21.8%増益だった。過年度開設施設の充足率上昇、オフィス・パレットの新規連結、自治体独自の加算補助金、業務効率化などで大幅増収増益だった。不採算だった認証保育所の認可化や運営終了による採算性改善も寄与した。受託保育事業は3.5%増収で3.3%増益だった。前期に受託した学童保育施設が寄与した。その他はデイサービスの寄与などで16.0%増収だが、新型コロナ影響による子育て支援員研修の延期などで24.3%減益だった。

 通期予想は据え置いているが、第1四半期の進捗率は売上高24.7%、営業利益35.5%、経常利益39.7%、純利益40.5%と順調である。受託保育事業で第2四半期に新規5園の運営開始を予定し、低採算受託保育施設の単価見直し交渉も進めるとしている。採算性改善も寄与して通期予想に上振れ余地がありそうだ。収益拡大を期待したい。

■株価は煮詰まり感

 株価(20年11月12日付で東証マザーズおよび福証Q―Board市場から東証1部および福証本則市場に市場変更)は三角保ち合いの形だが煮詰まり感を強めている。上放れて戻りを試す展開を期待したい。7月2日の終値は円、時価総額は約億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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