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【アナリスト水田雅展の銘柄分析】松田産業は指標面の割安感や自己株式取得を評価
- 2015/6/19 07:09
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
松田産業<7456>(東1)は貴金属リサイクル事業を主力として農林水産品販売事業も展開している。株価は高値圏1500円~1600円近辺でモミ合う展開だ。18日は1500円台を割り込んだが個別の悪材料は見当たらず、全般地合い悪化の影響を受けたようだ。指標面には割安感があり、自己株式取得も評価して上値を試す展開だろう。
貴金属リサイクルを主力とする貴金属関連事業、および農林水産品を扱う食品関連事業を展開している。貴金属関連事業では「東アジアNO.1リファイナー」を目指し、国内外の拠点拡充、貴金属原料の確保と化成品などの製品販売強化、および製品・技術開発強化を推進している。
海外は貴金属関連事業で中国、台湾、シンガポール、タイ、フィリピン、マレーシア、ベトナムに展開し、ベトナムでは貴金属製錬工場の建設を進めている。食品関連事業は中国、タイに拠点展開している。
3月13日に監査等委員会設置会社に移行すると発表した。6月25日開催予定の第66回定時株主総会に付議する。業務執行の適法性・妥当性の監査・監督機能の強化、およびコーポレートガバナンス体制の一層の強化を図ることで、より透明性の高い経営の実現を目指すとしている。
なお15年3月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月~6月)429億40百万円、第2四半期(7月~9月)446億83百万円、第3四半期(10月~12月)469億16百万円、第4四半期(1月~3月)449億84百万円、営業利益は第1四半期9億31百万円、第2四半期10億79百万円、第3四半期16億86百万円、第4四半期17億14百万円だった。半導体・電子部品業界の生産が回復基調で営業損益は拡大基調だ。
15年3月期の配当性向は19.9%、ROEは14年3月期比0.1ポイント低下して6.8%、自己資本比率は同1.8ポイント低下して69.7%となった。
今期(16年3月期)の連結業績予想(5月11日公表)は売上高が前期比3.1%増の1850億円、営業利益が同0.2%減の54億円、経常利益が同0.6%減の58億円、純利益が同16.7%増の39億円としている。
配当予想は普通配当26円に株式公開20周年記念配当2円を加えて、同3円増配の年間28円(第2四半期末14円、期末14円)としている。予想配当性向は19.1%となる。
景気回復に伴って半導体・電子部品業界の生産増加が予想され、貴金属関連事業の回収・販売数量が増加し、貴金属相場上昇の寄与も期待される。また食品関連事業も販売数量増加が期待される。会社予想は景気の不透明感も考慮して営業利益横ばいだが、保守的な印象が強く上振れ余地がありそうだ。
なお6月8日に自己株式取得を発表した。取得株式総数の上限6万株(自己株式除く発行済株式総数に対する割合0.23%)で、取得価額総額の上限1億円、取得期間15年6月9日~15年8月6日としている。
株価の動きを見ると、3月の年初来高値1635円から利益確定売りで一旦反落したが、その後は高値圏1500円~1600円近辺でモミ合う展開だ。6月18日は終値で1500円台を割り込んだが個別の悪材料は見当たらず、全般地合い悪化の影響を受けたようだ。
6月18日の終値1491円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS146円55銭で算出)は10~11倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間28円で算出)は1.9%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1923円86銭で算出)は0.8倍近辺である。
週足チャートで見ると13週移動平均線を割り込んだが、26週移動平均線が接近してサポートラインとなりそうだ。指標面には割安感があり、自己株式取得も評価して上値を試す展開だろう。