【どう見るこの相場】人気化するのは「ウイズ・コロナ株」か?「アフター・コロナ株」か?

どう見るこの相場

■4回目の緊急事態宣言発出の巣ごもり期間はリユース関連株に順張りスタンス

 競技場は無観客で歓声も拍手もなく、観戦は専ら巣ごもり・おひとり様のテレビ画面、選手団、大会関係者はバブル方式で完全隔離――――まるでテレビゲームを楽しむようなバーチャルっぽい大会になるのかとも想像される。今週22日に開会式を迎える東京オリンピックである。東京都に4回目の緊急事態宣言が発出されたなかでの開催で、前日18日まで5日連続で新規感染者が1000人を超え続けるなか「安心安全」を担保するための窮余の一策だろう。しかし新型コロナウイルスは、情け容赦なくリアルに生身の人間から生身の人間に感染し、人種、性別、年齢を問わない。開会式を前に、早くも海外選手や大会関係者にチラホラ新規感染者の発生も伝えられており、バブルがはじけて感染拡大に輪を掛けないように祈るばかりである。

 顧みれば緊急事態宣言の発出は、昨年4月の第1回目以来、まん延防止等重点措置も含めて今回の7月12日まで切れ目なく発出と解除を繰り返してきた印象が強い。その間、株式市場の方も下落と上昇を繰り返し、昨年3月のコロナ・ショック安の日経平均株価1万6358円が、今年2月の3万0714円まで約88%高し、足元の前週末16日に276円安の2万8003円と3日続落したが、それでも昨年3月のショック安値より1万1000円も上に位置している。

 株式市場では、感染拡大が巣ごもり消費を喚起すると評価された「ウイズ・コロナ株」や宣言解除後のリベンジ消費を先取りした「アフター・コロナ株」などがとっかえひっかえ人気となり、市場に新規の巣ごもり投資家も呼び込んだ。ただ相場も大きく持ち上げたのは、日本より早くワクチン接種と経済活動の正常化が進み鮮明化した米国、中国の景気回復の恩恵を享受した外需系のハイテク銘柄ではあった。

 では今回の4回目の緊急事態宣言発出で、買われる株、売られ株は何か?人気化するのは「ウイズ・コロナ株」か「アフター・コロナ株」か、それともお決まりのグロース株とバリュー株を交互に売買する日替わりメニューか?このポイントは、これから本格化する四半期決算の動向だろう。昨年の悪業績から急回復するサプライズ銘柄、昨年の好業績に対して伸び悩む銘柄、好決算でも材料織り込み済みと評価される銘柄など様々な決算発表が想定され、売り買い、強気、弱気が交錯しそうだ。ただそうしたなか、前週には、相場全般が調整色を強めるのとは逆に、この決算プレーの走りをうかがわせる動きが出た。「ウイズ・コロナ株」の中古品買い取り・販売のリユース関連株の浮上である。

 その代表株は、IDOM<7599>(東1)である。同社株は今年7月15日の今2022年2月期第1四半期(1Q)決算発表時に今2月期通期業績を上方修正し、純利益が、15期ぶりに過去最高を更新することから、翌15日には東証第1部値上がり率ランキングのトップと急伸して年初来高値を更新し、前週末16日も、上昇率順位第11位をキプープして高値追いとなった。同社は、前期業績も上方修正しており、中古車が、コロナ禍の「三密」回避の代替交通手段として注目され、半導体不足で完成車メーカーの半導体不足による生産停止・減産の追い風もあり、想定を上回って好調に推移、業界最大手の中古車買い取りチェーン「ガリバー」への来店客も増加、豪州子会社の新車販売もブームとなっていることなどが寄与した。

 IDOMのほか今2月期1Qの好決算を発表したリユース関連株も、好業績から株高反応となっており、中古車、ブランド品、パソコン、家電製品、ファッションなど好調に推移する中古品は多く、4回目の緊急事態宣言が発令中の巣ごもり期間は、リユース関連株への順張りスタンスが有力選択肢となりそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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