【株式市場特集】「プライム市場」不適合で売られ過ぎ銘柄と適合でもなお割安水準銘柄に注目

 今週の当特集では、株価材料として一部未消化の東証の市場再編銘柄を取り上げることにした。「プライム市場」不適合が嫌気された東証1部銘柄でも、売られ過ぎ銘柄がある一方で、適合の東証1部銘柄で好感して年初来高値を取った銘柄でも、なお株価が割安水準にある銘柄もある。こうした銘柄に注目し、「プライム市場」の外れ銘柄は逆張り、当たり銘柄は順張りで活路を拓きたい。

■不適合の売られ過ぎ7銘柄は適合計画書提出で逆襲余地

 「プライム市場」不適合となった東証1部銘柄は、手集計で恐縮だが、11社を数えた。いずれも株価は、需給悪化懸念で下ぶれベステラ、レアジョブのように年初来安値まで売られる銘柄もあったものの、悲観するのはまだ早い。市場再編の手続きとして今年9月から12月の間に上場維持基準適合計画書を提出して市場選択を申請し、移行後に計画の進捗状況を開示すれば、経過措置として「プライム市場」残留が認められるからだ。ということは、経過措置期間に不適合となった上場基準の流通株式時価総額や流通株式比率を向上させる資本政策や株高対策など手当てが加速することになり、晴れて「プライム市場」となれば、出遅れた分だけ株価の逆襲余地があることにもなるわけだ。

 とすれば「たられば」要素は否定できないものの、不適合会社でも投資採算的に割安な銘柄は、こうした資本政策、株高対策がより有効に働きやすく逆張り余地があることになる。該当銘柄をコード番号順に列挙すると、E・Jホールディングス<2153>(東1)、モバイルファクトリー<3912>(東1)、ニーズウェル<3992>(東1)、パラカ<4809>(東1)、フコク<5185>(東1)、極東貿易<8093>(東1)、ケーユーホールディングス<9856>(東1)となり、要注目となる。

■年初来高値更新銘柄でもなお割安な6銘柄は上値拡大展開

 一方、「プライム市場」適合を歓迎して年初来高値を更新し、なお株価が割安水準にある順張り候補6銘柄は、コード番号順に次の通りである。GCA<2174>(東1)、新日本科学<2395>(東1)、日本管理センター<3276>(東1)、IDホールディングス<4709>(東1)、テスホールディングス<5074>(東1)、メイコー<6787>(東1)、サンワテクノス<8137>(東1)となる。

 また投資採算的には市場予想を上回るが、適合発表が年初来高値更新を後押しした銘柄では、ジャパンベストレスキューシステム<2453>(東1)、神戸物産<3038>(東1)、マネーフォワード<3994>(東1)、ラクスル<4384>(東1)、KeePer技研<6036>(東1)と続き、なお上値トライをサポートしよう。さらに連休前21日大引け後に「プライム市場」適合を発表し、連休明けのきょう26日に初反応となる恵和<4251>(東1)、東京製鉄<5423>(東1)も要注目となる。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■開発者や投資家に加え、警鐘を鳴らす識者やアーティストも選出、多様な視点でAIの未来を問う  米T…
  2. 【効率化の先に広がる新しい働き方のルール】 ■広がり始めた「AI格差」  生成AIの利用が急速に…
  3. ■R35 GT-R最終生産、累計4万8000台が築いた伝説  日産自動車<7201>(東証プライム…
2025年10月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

ピックアップ記事

  1. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  2. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…
  3. ■全市場のわずか1.4%、希少な高配当利回り銘柄が浮上  株式市場では、高配当利回りを持つ10月決…
  4. ■「高市祭り」への期待と警戒交錯、資金は安定配当株へシフト  10月終盤相場は、「高市祭り」か「高…
  5. ■自民党総裁選と連立問題が相場を左右、短期急伸と急落を交錯  高市トレードは、まるで「超高速エレベ…
  6. ■東京市場、リスクオンとリスクオフが交錯、安全資産関連株に注目  週明けの東京市場は、米国株反発に…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る