アルコニックスは反発の動き、22年3月期2桁増益予想、さらに上振れの可能性

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

 アルコニックス<3036>(東1)は非鉄金属、電子材料、金属加工部品などを取り扱う商社で、商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指している。22年3月期は需要が堅調に推移して2桁増益予想としている。会社予想は保守的な印象が強く、上振れの可能性がありそうだ。収益拡大基調を期待したい。株価は調整一巡して反発の動きを強めている。出直りを期待したい。なお8月6日に22年3月期第1四半期決算発表を予定している。

■商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」

 非鉄金属、電子材料、金属加工部品などを取り扱う商社である。商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)~川中(流通)~川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

■製造が利益柱

 報告セグメント区分は、商社流通の電子機能材事業(化合物半導体、電子材料、チタン製品、ニッケル製品、レアメタルなど)、商社流通のアルミ銅事業(アルミニウム製品、伸銅品、非鉄スクラップ、各種配管機材など)、製造の装置材料事業(非破壊検査装置、マーキング装置、カシュー樹脂、カーボンブラシなど)、製造の金属加工事業(精密機構部品、精密研削加工部品、精密金属プレス部品、金属加工部品など)としている。

 21年3月期のセグメント別構成比は、売上高では商社流通が78%(電子機能材28%、アルミ銅50%)で製造が22%(装置材料12%、金属加工10%)だが、経常利益では商社流通が39%(電子機能材30%、アルミ銅9%)で製造が61%(装置材料6%、金属加工55%)だった。レアメタル・レアアースの取り扱いが特徴とされているが、M&Aも積極活用して「非鉄金属の総合企業」を目指す成長戦略によって、利益面では製造、特に金属加工が柱に成長している。

■商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」

 中期経営計画(22年3月期~24年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、24年3月期の目標値に経常利益96億円超、当期純利益67億円超、ROE13~15%程度、NET/DER1.0倍程度としている。3年間の投資総額はM&A・事業投資を中心に250億円~300億円としている。商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指して積極投資を推進する。さらに資源循環型・環境配慮型社会の発展に貢献し、新たな「環境親和型ビジネス」の創出に挑戦するとしている。

 18年12月摩擦調整材カシューパーティクル製造販売の東北化工を子会社化してブレーキ関連市場に参入、19年2月カーボンブラシ製造販売の富士カーボン製造所を子会社化、19年7月メキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社の自動車部品用精密金属プレス部品事業を譲り受け、19年10月香港でリチウムイオン電池材料事業の合弁会社を設立、19年11月中国で建設用仮設資材の輸入・製造・販売の合弁会社を設立した。

 20年3月子会社の平和金属を完全子会社化、20年8月子会社のアドバンストマテリアルジャパン(AMJ社)がタングステン化合物メーカーの台湾・Lianyou Metals社に出資、20年12月空調機器向け配管部品製造販売の富士根産業を子会社化、21年3月メキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社から工場用地・建物を取得した。

■22年3月期2桁増益予想、さらに上振れの可能性

 22年3月期連結業績予想(収益認識に関する企業会計基準第29号適用のため増減率非掲載だが利益に影響なし)は、売上高が1200億円、営業利益が64億円、経常利益が64億円、親会社株主帰属当期純利益が45億円としている。配当予想は21年3月期と同額の42円(第2四半期末21円、期末21円)である。

 需要が堅調に推移(売上高は企業会計基準第29号適用前ベースで11.6%増の2400億円)して、営業利益が13.8%増益、経常利益が11.9%増益、当期純利益が57.3%増益の見込みとしている。

 セグメント別経常利益の計画は、商社流通が34.5%増の30億円(電子機能材が23.6%増の21億円、アルミ銅が69.7%増9億円)で、製造が2.7%減の34億円(装置材料が20.0%増の4億円、金属加工が5.0%減の30億円)としている。

 商社流通の電子機能材はデジタルシフトの加速を背景に、スマホ・タブレット端末関連部材、半導体電子材料、レアメタル・レアアース関連の増加を見込む。アルミ銅は自動車関連や電子材料向けの増加を見込む。製造の装置材料は自動車関連の需要拡大でめっき材料、カーボンブラシ、カシュー樹脂関連の需要が回復基調であり、検査装置関連の増加も見込む。金属加工は半導体製造装置向け切削加工品、精密金属プレス部品、空調機器向け金属加工部品などが伸長するが、半導体実装機向け精密研削加工部品の出荷調整を見込んでいる。

 需要が堅調に推移し、全体として2桁増益予想としている。会社予想は保守的な印象が強く、上振れの可能性がありそうだ。収益拡大基調を期待したい。

■株主優待制度は3月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は反発の動き

 株価は3月の年初来高値圏から反落して上値を切り下げたが、調整一巡して反発の動きを強めている。出直りを期待したい。7月26日の終値は1463円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS175円48銭で算出)は約8倍、今期予想配当利回り(会社予想の42円で算出)は約2.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1709円55銭で算出)は約0.9倍、そして時価総額は約380億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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