ハウスドゥは調整一巡、22年6月期も収益拡大基調

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

 ハウスドゥ<3457>(東1)はFinTechを活用した不動産流通ソリューションで業界変革を目指す不動産テック(不動産×IT)企業である。FCチェーンネットワークや高齢化社会に対応した不動産ソリューションを強みとしている。21年6月期は大幅増益予想(レンジ予想)としている。さらに22年6月期も収益拡大基調だろう。株価は安値圏でモミ合う形だが、調整一巡して出直りを期待したい。なお8月16日に21年6月期決算発表を予定している。

■住まいのワンストップサービスを展開する不動産テック企業

 住まいのワンストップサービスを展開し、FinTechを活用した不動産流通ソリューションで業界変革を目指す不動産テック(不動産×IT)企業である。

 不動産流通事業で創業し、リフォーム事業、不動産売買事業、不動産売買仲介「HOUSEDO」FC加盟店に各種サービスを提供するフランチャイズ事業、ハウス・リースバック事業、不動産担保ローン事業、金融機関と提携したリバースモーゲージ保証事業へと展開し、業容を拡大している。なお6月21日に持株会社への移行(時期未定)の検討を開始すると発表した。

 FCチェーンネットワークや高齢化社会に対応した不動産ソリューションなど顧客接点・地域密着ネットワークを構築し、売買仲介を起点として住まい関連サービスにつなげる事業シナジーを強みとしている。さらに不動産事業を通じて世の中を安心、便利なサービスを提供する「不動産コンビニ」構想も掲げている。

■ストック収益型事業が収益柱

 ロイヤリティー収入、賃貸収入、金利収入など、ストック収益を積み上げるフランチャイズ事業、ハウス・リースバック事業、金融事業(不動産担保ローン事業、リバースモーゲージ保証事業)を成長強化事業と位置付けて、収益の柱としている。ハウス・リースバック事業では、取得した収益不動産物件の売却も進めている。

 成長強化事業の20年6月期営業利益構成比は77.2%(フランチャイズ事業が36.6%、ハウス・リースバック事業が40.0%、金融事業が0.6%)となり、19年6月期比6.4ポイント上昇した。

 フランチャイズ事業の加盟契約数は21年6月30日現在で702店舗(直営29店舗、FC673店舗、うちオープン準備中86店舗)となった。20年9月には山形県の企業とフランチャイズ契約を締結し、全国47都道府県すべてに出店契約を達成している。中期的には25年に国内1000店舗、アジア5万店舗を目標としている。なお21年1月からはブランドロゴと店舗デザインを一新した。また賃貸不動産仲介事業の新ブランド「レントドゥ!」も展開している。

 ハウス・リースバック事業の20年6月期末の保有物件数は19年6月期末比97件減少の217件、保有物件総額は18億48百万円減少の33億29百万円となった。HLB6号ファンドへの売却(譲渡価格約39億円)で期末保有物件は減少したが、契約件数は106件増加の660件、物件取得数は129件増加の634件と順調に増加した。

 金融事業の20年6月期の不動産担保融資実行件数は19年6月期比21件増加の207件で、期末の不動産担保融資残高は28億82百万円増加の110億45百万円、リバースモーゲージ保証件数は16件増加の145件で、リバースモーゲージ保証残高は7億86百万円増加の34億円となった。残高積み上げによって収益が拡大している。

■ハウス・リースバック事業や保証事業を強化

 中期経営計画では目標数値を、22年6月期売上高381億50百万円~414億円、営業利益30億54百万円~37億54百万円、経常利益28億円~35億円、当期純利益18億48百万円~23億10百万円としている。

 重点戦略として、フランチャイズ事業の店舗数拡大、ハウス・リースバック事業の仕入強化、リバースモーゲージ保証事業の拡大、海外展開、M&Aへの積極的取り組みなどを推進する。また20年8月にはDX(デジタルトランスフォーメーション)推進本部を設立した。グループの事業展開におけるDX推進に向けた環境整備および具体的な取り組みを促進する。

 M&A・アライアンスでは、19年6月エアトリステイおよびAirbnbと加盟店の空室活用で包括的業務提携、19年7月三井住友海上火災保険とFC加盟店対象の包括賠償制度「FC Triple Guard」を開発・提供開始、19年8月埼玉県草加市を中心に不動産売買・仲介を展開する小山建設グループを子会社化、20年7月子会社の草加松原住建の商号をハウスドゥ・ジャパンに変更した。またリバースモーゲージ保証事業で地域金融機関との提携を推進している。21年1月には楽天銀行と提携した。

 21年3月にはJSB(京都市)と提携した。JSBが運営するサービス付高齢者向け住宅の入居希望者に対して、自宅や遊休不動産の査定・売却・有効活用などに関する不動産ソリューションサービスを提供する。21年4月にはスマート家電・機器を標準装備したIoT住宅「スマートDOホーム」の販売開始を発表した。

 7月20日には加盟店を対象とする業務支援サービスの利用に関して、不動産サービス比較サイト「リビングマッチ」運営のリビン・テクノロジーズ<4445>との業務提携を発表した。

■21年6月期大幅増益予想、22年6月期も収益拡大基調

 21年6月期の連結業績(レンジ)予想は、売上高が339億76百万円~375億32百万円(20年6月期比3.3%増~14.2%増)、営業利益が27億13百万円~35億12百万円(43.3%増~85.5%増)、経常利益が25億円~33億円(45.7%増~92.2%増)、当期純利益が16億50百万円~21億78百万円(60.1%増~111.3%増)としている。配当予想は未定としている。

 新型コロナウイルスの影響など不透明感を考慮してレンジ予想だが、成長強化事業が伸長して大幅増益予想としている。セグメント別の営業利益計画は、フランチャイズ事業が20億42百万円、ハウス・リースバック事業が21億43百万円~23億94百万円、金融事業が2億円~3億01百万円、不動産売買事業が4億93百万円~8億39百万円、不動産流通事業が5億80百万円、リフォーム事業が1億77百万円~2億78百万円、小山建設グループが2億53百万円、調整額が▲31億78百万円としている。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比10.4%増の253億51百万円、営業利益が10.9%増の12億66百万円、経常利益が11.4%増の11億75百万円、親会社株主帰属四半期純利益が19.9%増の7億71百万円だった。成長強化事業が順調に伸長し、成長強化事業への継続投資による人件費や広告宣伝費の増加を吸収した。

 成長強化事業のフランチャイズ事業は10.9%増収で24.2%増益、金融事業は14.2%増収で黒字化、不動産売買事業は2.0倍増収で3.1倍増益と伸長した。不動産流通事業は3.4%増収で5.7%増益と堅調だった。ハウス・リースバック事業はHLBファンドへの譲渡未実施のため31.4%減収で46.4%減益だった。リフォーム事業は2.9%減収で3.5%減益、小山建設グループは9.7%増収だが16.8%減益だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高75億23百万円で営業利益3億15百万円、第2四半期は売上高112億11百万円で営業利益9億26百万円、第3四半期は売上高66億17百万円で営業利益25百万円だった。第3四半期はハウス・リースバック事業でのHLBファンドへの譲渡未実施が影響した。

 第3四半期累計の進捗率は低水準だったが、5月21日にはハウス・リースバック事業でHLBファンドへの信託受益権譲渡を発表している。主力のフランチャイズ事業が順調であり通期予想は達成可能だろう。さらに22年6月期も収益拡大基調だろう。

■株主優待制度は22年6月末日対象をもって廃止

 株主優待制度は毎年6月30日現在の1単元(100株)以上保有株主に対して実施しているが、2月10日に株主優待制度の廃止を発表した。株主還元の公平性を意識した取り組みを進めるべく、22年6月末日対象をもって株主優待制度を廃止し、翌期以降は配当性向基準引き上げで配当として還元(詳細は会社HP参照)する。

■株価は調整一巡

 株価は安値圏でモミ合う形だが、調整一巡して出直りを期待したい。7月27日の終値は1002円、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS上限値111円75銭で算出)は約9倍、前々期実績連結PBR(前々期実績の連結BPS592円27銭で算出)は約1.7倍、時価総額は約196億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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