生化学工業は22年3月期1Q大幅増収増益、通期上振れの可能性

(決算速報)
 生化学工業<4548>(東1)は7月30日の取引時間終了後に22年3月期第1四半期連結業績を発表した。新型コロナ影響からの回復、M&A効果、受取ロイヤリティーの増加などで大幅増収増益だった。通期も大幅営業・経常増益予想としている。さらに上振れの可能性がありそうだ。収益拡大を期待したい。株価は5月の年初来高値圏から反落してモミ合う形だが、好業績を評価して戻りを試す展開を期待したい。

■22年3月期1Q大幅増収増益、通期も大幅営業・経常増益予想

 22年3月期第1四半期連結業績は、売上高が前年同期比71.6%増の117億84百万円、営業利益が11.2倍の44億46百万円、経常利益が7.6倍の46億13百万円、親会社株主帰属四半期純利益が6.9倍の36億52百万円だった。

 新型コロナ影響からの回復、M&A効果、ロイヤリティー計上などで大幅増収増益だった。医薬品事業は93.3%増収だった。新型コロナ影響からの回復などで国内医薬品が9.8%増収、海外医薬品が40.6%増収となり、医薬品原体・医薬品受託製造がダルトン社の連結も寄与して144.0%増収と大幅伸長した。さらに受取ロイヤリティー(表示区分を従来の営業外収益から売上高に変更)35億50百万円を計上した。LAL事業も12.6%増収と伸長した。利益面は、研究開発費が増加したが、増収効果や売上構成変化による原価率低下で大幅増益だった。

 通期予想は据え置いて、売上高が21年3月期比16.1%増の322億円、営業利益が2.0倍の45億50百万円、経常利益が53.7%増の46億50百万円、親会社株主帰属当期純利益が14.4%減の36億50百万円としている。当期純利益は前期の法人税等調整額のマイナス計上の反動で減益予想としている。配当予想は6円増配の30円(第2四半期末15円、期末15円)である。

 売上面は国内薬価引き下げが減収要因となるが、新型コロナ影響からの回復、新製品ジョイクルの発売、ダルトン社の連結による医薬品原体・医薬品受託製造の伸長、受取ロイヤリティーの増加などで2桁増収予想としている。利益面は研究開発費が増加(9.6%増の計画)するが、増収効果で大幅営業・経常増益予想としている。第1四半期の進捗率は売上高36.6%、営業利益97.7%と高水準であり、さらに上振れの可能性がありそうだ。収益拡大を期待したい。

■株価は戻り試す

 株価は5月の年初来高値圏から反落してモミ合う形だが下値を切り上げている。好業績を評価して戻りを試す展開を期待したい。7月30日の終値は1071円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS64円83銭で算出)は約17倍、時価総額は約608億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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