川崎近海汽船は22年3月期1Q赤字縮小、2Q累計・通期予想を上方修正

(決算速報)
 川崎近海汽船<9179>(東2)は7月30日の取引時間中に22年3月期第1四半期連結業績を発表した。近海部門の市況回復などで赤字縮小した。そして第2四半期累計および通期の連結業績予想を上方修正し、通期は大幅増益予想とした。さらに再上振れの可能性がありそうだ。株価は年初来高値圏でモミ合う形だ。上方修正に対する反応は限定的だったが、自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。

■22年3月期1Q赤字縮小、通期は上方修正して大幅増益予想

 22年3月期第1四半期連結業績は、売上高が前年同期比4.8%増の95億15百万円、営業利益が1億24百万円の赤字(前年同期は3億16百万円の赤字)、経常利益が1億10百万円の赤字(同3億31百万円の赤字)、親会社株主帰属四半期純利益が52百万円の赤字(同1億27百万円の赤字)だった。

 内航部門は0.6%増収にとどまり、燃料油価格高騰の影響で赤字化したが、近海部門が市況改善効果で25.7%増収となって黒字化した。OSV部門は42.3%減収で赤字拡大した。

 第1四半期の状況を受けて第2四半期累計および通期の連結業績予想を上方修正した。修正後の通期連結業績予想は売上高が21年3月期比9.1%増の404億50百万円、営業利益が2.1倍の8億50百万円、経常利益が4.5倍の8億50百万円、親会社株主帰属当期純利益が6億10百万円の黒字(21年3月期は1億12百万円の赤字)としている。配当予想は据え置いて21年3月期と同額の100円(第2四半期末50円、期末50円)としている。

 内航部門は燃料油価格の上昇で従来予想並みだが、近海部門の収益が市況回復で従来予想を大幅に上回る見込みとしている。市況が回復基調であり、近海部門の収益改善で、さらに再上振れの可能性がありそうだ。

■株価は上値試す

 株価は年初来高値圏でモミ合う形だ。上方修正に対する反応は限定的だったが、自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。7月30日の終値は2970円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS207円80銭で算出)は約14倍、時価総額は約88億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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