綿半ホールディングスは22年3月期1Q減収減益だが、通期増収増益予想を据え置き

(決算速報)
 綿半ホールディングス<3199>(東1)は7月30日の取引時間終了後に22年3月期第1四半期連結業績を発表した。特需の反動で減収減益だった。ただし通期の増収増益予想を据え置いた。通期ベースで収益拡大を期待したい。なお新市場区分における上場維持基準への適合状況の一次判定結果で、プライム市場の上場維持基準に適合しているとの通知を受けたため、プライム市場選択に係る所定の手続きを進める。株価は目先的には減収減益を嫌気する可能性もあるが、下値限定的だろう。

■22年3月期1Qは特需反動で減収減益だが、通期増収増益予想据え置き

 22年3月期第1四半期の連結業績は、売上高が前年同期比13.8%減の260億23百万円、営業利益が75.4%減の3億36百万円、経常利益が70.4%減の4億25百万円、親会社株主帰属四半期純利益が75.9%減の2億37百万円だった。

 小売事業は前年の巣ごもり特需の反動で4.3%減収、44.5%減益だった。建設事業は37.5%減収で赤字だった。前期の受注が第4四半期に集中したため、第1四半期は設計段階の工事進捗が中心だった。ただし受注は計画に対して順調な進捗としている。貿易事業は生活様式変化に伴う化粧品市場縮小や、前年の医薬品安定供給確保のための在庫積み増し特需の反動で26.3%減収、40.9%減益だった。

 全体として前年の特需の反動などで減収減益だったが、コロナ禍前の20年3月期第1四半期(経常利益2億78百万円)との比較では増益を確保した。

 通期連結業績予想は据え置いて、売上高が21年3月期比4.5%増の1200億円、営業利益が2.7%増の33億71百万円、経常利益が0.6%増の35億50百万円、親会社株主帰属当期純利益が9.4%増の21億円としている。配当予想は1円増配の21円(期末一括)である。

 小売事業に含まれていた木造住宅分野を建設事業に変更する。セグメント別の計画は小売事業が2.6%増収で1.0%増益、建設事業が11.5%増収だが7.7%減益、貿易事業が5.7%減収で15.3%減益としている。建設事業は生産効率向上に向けた鉄構工場再編成などで減益予想としている。

 第1四半期の進捗率は低水準だが通期予想を据え置いた。7期連続最高益更新見込みである。後半挽回して通期ベースで収益拡大を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価は目先的には第1四半期の減収減益を嫌気する可能性もあるが、下値限定的だろう。調整一巡して出直りを期待したい。7月30日の終値は1244円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS105円98銭で算出)は約12倍、時価総額は約247億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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