【どう見るこの相場】首相と都知事がご推奨の「カウチアイス」関連株から自助投資でメダル候補株

どう見るこの相場

 かつて「カウチポテト」というライフスタイルが、最新ファッションとして注目されたことがあった。日本が、まだバブリーだった1980年代のことである。共働きで子どもを持たない高収入の「DINKS(ダブルインカム・ノーキッズ)」たちが、カウチ(寝椅子)に寝そべってポテトチップスを食べながらテレビやビデオを鑑賞するお一人様的な日常を指していた。

 これは現在、まさに菅義偉首相や東京都の小池百合子知事がご推奨のライフスタイルとなる。自宅のテレビで日本選手の金メダルラッシュに沸く東京オリンピックを観戦する巣ごもり観戦、巣ごもり応援そのものとなるからだ。もっとも屋外は猛暑日の連続だから「カウチポテト」ではなく、カウチに寝そべってアイスクリームや冷菓を食べる「カウチアイス」になるかもしれない。

 もちろん菅首相や小池都知事がご推奨の背景には、新型コロナウイルス感染症の感染爆発がある。7月31日には東京都の1日当たりの新規感染者が4058人、全国でも1万2342人と過去最高となり、危機的状況となっており、これに先立ち菅首相は、東京都と沖縄県に発出していた4回目の緊急事態宣言の期限を当初の8月22日から31日まで延長するとともに、首都圏3県、大阪府にもきょう2日から新たに緊急事態宣言を発出する。

■昨年のGoToキャンペーンと瓜二つ

 この緊急事態宣言発出で感染拡大に歯止めが掛かることを期待したいが、期待通りに進展する保証はない。というのも、今回の東京オリンピックは、昨年のGoToキャンペーンと瓜二つに写るからだ。同キャンペーンは、コロナ禍で大打撃を受けた観光業や飲食業をテコ入れし、経済活動を正常化するために進められた需要喚起策で、先陣となった「GoToトラベル」は、昨年7月22日に開始された。新型コロナウイルスを地方に拡散させると懸念されるなかでのスタートであった。

 今年の東京オリンピックも、7月22日に「海の日」の祭日を初日に4連休が始まり、7月23日に開会式が開催された。これも、感染拡大が懸念され一部で中止論があるなかでの開催である。東京オリンピックと感染拡大の関連性については、菅首相は、記者会見で参加した海外選手や大会関係者から国内へ感染が拡大したケースはなく「安心・安全の大会」として開催されていると明言した。これも昨年の「GoToトラベル」と相似形である。

 昨年の「GoToトラベル」では、当時の官房長官だった菅義偉現首相が、同キャンペーンで感染者が拡大した事実はないと定例の記者会見で明らかにした。しかしその後の新規感染者の動向をみれば、7月30日に東京都の新規感染者は400人を超え、これが全国的に拡散し8月には感染拡大の第2波が襲来した。

 相手は新型コロナウイルス、そのなかでもあくどく変異したデルタ株である。忖度など期待もできず、昨年7月と今年7月のデジャブ(既視感)からは、一度あることは二度あるとの懸念は強まることになる。ここはもう自己防衛、自己責任、菅首相のいう「自助」しかないかもしれない。投資スタンスとしても昨年のコロナ相場は、巣ごもり投資の防疫関連株や巣ごもり消費の「ウイズ・コロナ」株で乗り切った。今年の8月相場は、菅首相や小池東京都知事のご推奨の「カウチアイス」関連株に自助投資して金メダルは無理でも銅メダルくらいを狙ってみるのも一法となるかもしれない。さらに8月相場の番外編としては、「カウチアイス」で政局動向にも目を配り、選挙関連の定番銘柄の株価ウオッチも怠れない。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■内蔵インヒールで自然な足長効果、フォーマルからビジネスまで対応  青山商事<8219>(東証プラ…
  2. ■デュアル周波数対応で通信の安定性を確保  世界的なDX進展を背景に京セラ<6971>(東証プライ…
  3. ■リアルタイム文字起こしと自動要約で議事録作成を効率化  シャープ<6753>(東証プライム)は2…
2025年4月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930  

ピックアップ記事

  1. ■低PER・高配当利回り、不動産・銀行株が市場を牽引  3月の東京都区部消費者物価指数が前年比2.…
  2. ■新年度相場のサブテーマは「物価」?!  米国のトランプ大統領は、「壊し屋」と奉る以外にない。その…
  3. ■新年度相場の初動として注目される値上げ関連銘柄  4月予定の値上げは、原材料価格上昇や物流費増加…
  4. どう見るこの相場
    ■トランプ関税懸念も『総論弱気、各論強気』の市場展開  「トランプ・ディール(取引)」と「トランプ…
  5. ■名変更会社の局地戦相場の待ち伏せ買いも一考余地  今年4月1日以降、来年4月1日まで社名変更を予…
  6. ■あの銘柄が生まれ変わる!市場を揺るがす社名変更、次なる主役は?  「トランプ・トレード」が、「ト…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る